流れ星に願いをかけるのはなぜ? 小惑星・彗星から宇宙の謎にせまる
「第71回 産経児童出版文化賞」大賞受賞作『ビジュアル探検図鑑 小惑星・隕石 46億年の石』』(岩崎書店、2023年)の著者・三品隆司が、ニッポン放送の特別番組「宇宙の謎を解くカギ 小惑星にせまる」に出演し、小惑星について解説した。
「産経児童出版文化賞」は、1954 年に「次の世代をになう 子どもたちに良い本を」という趣旨で創設され、学習参考書を除く全児童図書を対象に、最も優秀な図書に贈られるもの。 三品は、受賞について「大変嬉しく思います。特に、いろいろな形の本がある中でも図鑑に注目していただいたことと、比較的、特殊なテーマであるにも関わらず評価していただけたという点は、長いあいだ図鑑に携わってきたものとして、たいへん感謝しております」と喜びを語った。 奇しくも、放送日の5月6日は、みずがめ座エータ流星群のピーク。流星群の元になるのは、彗星が軌道上に残していったチリで、その中を地球が通り過ぎると、チリが地球の大気に衝突して、高温になり、大気とチリの成分の両方が光るので流星として見えると、流星群の正体について説明した。 さらに、流れ星に願いごとを唱えると叶うといわれることについては「いろいろな国で風習としてあるようです。日本でも古くから、流星は吉兆とする言い伝えがあります。たとえば『流星が自分に向かってきたらお金が入る』というのもあります。ただ、『願いを三度唱えると、願いが叶う』という言い伝えがどこで生まれたかについては、よくわかっていません。また、反対に、流れ星は、不吉なことが起きる兆しとする言い伝えもあります。天文写真家の藤井旭さんが、群馬県や静岡県の言い伝えとして『流星をみたら人が死ぬ』という不吉な民話を紹介していらっしゃいます」と話した。 また、『ビジュアル探検図鑑 小惑星・隕石 46億年の石』によれば、シベリヤに古くから住んでいる人々の間では、流星は神々が天球の上から天の蓋を少しだけ開けて、地上を覗いた時に、そのすき間から星が漏れて降ってきて起きると考えられており、流星が現れたときに願い事をすれば、神様に聞いてもらえるので叶えられると信じていたと書かれている。