JAL、マイルで2拠点居住支援 大分で月4往復分
日本航空(JAL/JL、9201)は10月16日、マイルを活用した2拠点居住(二地域居住生活)を推進する取り組みを始めた。自治体が募る2拠点居住の参加者にJALがマイルを付与し、都市部から地方への移動費用の負担を軽減する。第1弾として、JALと大分県玖珠町(くすまち)、大分県信用組合の3者は同日、「持続的な人流創造に関する協力覚書(MOC)」を締結した。 【画像】JALが767の後継で国内線に投入するA321neo 大分での取り組みは、2026年度末までの3年間。初年度の実証実験も含め、のべ50人程度が玖珠町へ2拠点居住で訪れると見込んでおり、参加者は対象期間中、玖珠町内の「お試し暮らし住宅」に住み、自治体職員や地域住民と生活する中で、将来的な移住や定住を検討できるようにする。同住宅の家賃は、水道光熱費込みで月額3万円。 JALによると、国内の航空会社でマイルによる2拠点居住の支援は初めて。初年度は月4往復分相当のマイルが参加者に付与される。参加にはJALのマイル制度「JALマイレージバンク(JMB)」に入会している必要がある。 覚書による3者の役割分担は、玖珠町がマイル費用の負担や助成金の適用、お試し暮らし住宅の提供、大分信組は参加者が住宅を購入する際に専用の住宅ローンを用意する。JALはマイル付与のほか、特典航空券への交換や搭乗申し込み、アンケート調査を実施する。 JALは中期経営計画で関係人口の創出による地域活性化を掲げており、マイルを活用することで将来的な移住・定住人口の増加につなげる。10月時点で大分空港を発着するJAL便は、羽田線が1日6往復、伊丹線が同3往復となっており、グループのLCC、ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)は成田線を同1往復運航している。
Tadayuki YOSHIKAWA