U18小倉監督が力説「甲子園の神様は全力で走らなければ…」最年少は23歳、「甲子園塾」全日程終了
日本高野連が若手指導者育成を目的として実施する甲子園塾が15日、大阪府茨木市内の練習場で行われ、今年の全日程を終えた。 高校野球の指導歴が10年未満の監督や責任教諭ら計27人が全国から大阪に集まり、塾長を務める日本高野連技術・振興委員長の正木陽氏、U18高校日本代表監督の小倉全由氏らから指導法を学んだ。 最終日の3日目は、箕面学園(大阪)の練習に参加し、走塁や守備練習の方法などが伝えられた。走塁練習では、各講師から二盗やベースランニングにおける細かな注意事項が伝授され、小倉監督は「全力で走らなければ、甲子園の神様は味方をしてくれない。神様は自分たちで振り向かせるものだ」と言葉に力を込めた。 特別講師として、栃木有数の進学校である石橋を今夏の甲子園出場に導いた福田博之監督が参加した。公立校や部員数確保に苦しむ指導者を前に「私は何者でもないが、私の高校が受講生皆さんの指導環境に一番近いと思うので、励みになればいいなと考えていた。熱い気持ちでひたむきに取り組めば、うちみたいな高校でも甲子園に行くことができた。情熱が一番大事だ」と説いた。 受講生の最年少は23歳。若手指導者から積極的に質問が出るなど、活発な議論が行われた。今秋から監督を務める甲西(滋賀)の松居恭平監督(28)は「学びの深い3日間になりました。正木先生から“どんな環境でも甲子園を目指そう。人間形成は、その過程でついてくる”との話があった。もちろん甲子園を目標にしていたが、もっと声を大にして甲子園を目指していきたい」と決意を新たにした。 選手6人で今秋府大会を連合チームで臨んだ東住吉総合(大阪)・大野貴史監督(34)は「正木先生が“150キロの球を投げる投手がいなければ、80キロの変化球を磨く方法もある。指導者の考え方次第で指導方法は無限大だ”とおっしゃっていた。選手とのコミュニケーションが一方通行にならないようにする大切さを学ぶこともできた」と振り返った。 2泊3日の研修を終えた受講者27人には、塾長の正木氏から修了証が授与された。今年から塾長を務める正木氏は「若い先生方の交流を広げる場であってほしいし、高校野球の将来につなげていく塾にならなければいけない」と強調し、小倉氏は「熱意が通じれば、選手はやる気になる。迷いが生じれば、いつでも電話で相談してほしい」と熱く語りかけた。