「起用しないならなぜ呼んだ?」パリ五輪男子バスケ日本代表は八村塁がいればブラジルに勝てたのか…“代役”筆頭候補の富永啓生の出番が少なかったのも誤算?!
東京五輪は最終予選で敗退して出場権を逃したブラジルだが現役のNBAプレーヤーは、ウォリアーズのギー・サントスと、今季までグリズリーズと契約していたマオジーニャ・ペレイラの2人がいて、元NBAプレーヤーも5人揃ったタレント軍団。高さはないが、個の能力は高い。 そのブラジルを相手に日本は第2Qを富樫、馬場雄大、渡邊の3連続スリーポイントでスタート、徐々にアジャストし始める。ホーキンソン、渡邊が必死にリバウンドをひろい、相手オフェンスのミスを得点につなげた。馬場が豪快なダンクを決めてムードを作るが、ブラジルのスリーポイントの勢いは止めきれず。Bリーグのアルバルク東京でプレーするレオナルド・メインデルにスリーポイントブザーシュートを決められるなど11点差で後半に突入した。 第3Qは、ホーキンソンが4連続スリーポイントで爆発。ブラジルは、34歳のベテランのビトル・ベニテがテクニカルファウルを犯すなど、集中力を失いかけた。日本は、4点差に詰め寄った。リング下の攻防では、渡邊、ホーキンソン、吉井裕鷹が懸命に汗をかいた。河村にも当たりが出始めたが、第4Qに息を吹き返したブラジルに突き離された。試合を通じて一度もリードを奪えなかった。 もし八村がいれば勝てたのか。 現在大学でヘッドコーチを務めるバスケの専門家は「すべてが“たられば”ですが、その可能性はあったと思う」と明言した。 「八村がNBAで評価されている点は、守備の献身とシュートの確実性。だが、日本のチームでは、役割が違いスコアラー。フランス戦で24得点している、そのスコアラーが抜けた穴は大きかった。一人で、そこを埋められる選手はいない、ホーキンソンが大活躍をしたが、彼は本来はオールラウンダー。渡邊も故障の影響からか得点は伸びない。比江島と吉井もスコアリングはできなかった。本当ならば、その代役は富永なんだろうが、ホーバス監督は、守備力と、調子に不安を抱いていて、積極的に使わなかった。最初に連続でスリーを落としたことも、ホーバス監督がこの試合で富永に多くのプレー時間を与えなかった理由だったのかもしれない。チームコンセプトに合わないのであれば、なぜ代表メンバーに呼んだんだ?という議論が起きてもおかしくないと思う」 NCAAディビジョン1のネブラスカ大を卒業したばかりの富永が誤算だった。 第1Qの残り4分に比江島に代えて投入されたが、2本続けてスリーポイントシュートに失敗。第4Qにようやく今大会初得点を決めたが、この日のプレー時間は、わずか6分59秒。「カレッジ・スラムダンク・アンド・3ポイント・チャンピオンシップ」の3ポイントコンテストで優勝した“和製カリー”が、今大会を通じてほとんど戦力にはならなかった。 ホーキンソンがチーム最多の26得点で、馬場も11得点をマークしたが、比江島は無得点に終わり、吉井も5得点。八村の代役は出てこなかった。
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