Z世代が考えるコスパやタイパ、家電選びの背景とは?現役大学生とPanasonic若手マーケ担当者が本音トーク
現役学生である筆者が2023年10月に‟つながる“をテーマに家電事業の新拠点としてオープンした「パナソニック 目黒ビル」を訪問した様子をお届けする。前編では本ビルの見学を通して自社製品と社員の‟つながり”が新しい働き方を実現している様子についてお伝えした。後編となる今回は、現役Z世代社員との「Z世代が選ぶ家電と背景」をテーマにした対談をお届けする。 【写真】Z世代が考えるコスパやタイパ、家電選びの背景とは 対談に参加して頂いたのは、家電の宣伝を担うコミュニケーションデザインセンターの大木優佳さん(以下、大木さん)と井上和さん(以下、井上さん)だ。筆者も含め3人ともZ世代ということで、Z世代ならではの家電の選び方や基準について共感できる話題ばかりであった。 ■「自分の機嫌は家電でとる」Z世代の家電購入の決め手とは さっそく、井上さんと大木さんに新生活を始める際に揃えた家電を伺った。 井上さん:私は一人暮らしを始めるにあたり、洗濯機や冷蔵庫、電子レンジなど生活レベルの維持に必要な家電から揃えました(笑)。レンジがあれば温かいものが食べられますし、あると安心です。 大木さん:友人に薦められて購入したドラム式洗濯機は大正解でした。一人暮らしで音がないのは寂しいのでテレビも揃えました。 井上さん:現在自宅で利用している家電は、ECサイトの絞り込み検索やメーカーサイトで自分に必要な機能や理想と比較し購入しました。製品のレビューを星の数が少ない順に並び変えて見るなど慎重に選びました! 最近はスマホ片手に製品レビューを見ながら家電量販店で製品を物色することも珍しくない。手軽に製品レビューを調べられる時代だからこそ、Z世代は家電選びに慎重になっているように感じられる。そんなZ世代が家電に求めるものは、コスパ・タイパだけでなく「心の豊かさ」も含まれていることが明らかになってきた。 ■コスパ・タイパより大切なZ世代の家電選びのポイントとは 大木さん:私は友人におすすめの家電を聞いてみて「良さそうだな」と思ったら、ECサイトなどで製品の品番や口コミを調べてから家電量販店に実物を見に行くことが多いです。 ――ネットの口コミよりも友人や周りの反響が家電選びの決め手になっているということですか? 大木さん:レンジにするかオーブンにするかなどの動機づけは実際に使っている人の感想や友人からの影響が多いと思います。 井上さん:私は「ちょっと不便だけど一人だしこれでいいか」と家電選びに妥協するのではなく、「多少高価だったとしても本当に欲しい製品を購入して、その分仕事を頑張ろう」という考え方をもっています!コスパ・タイパよりも、その家電を使っている自分を想像し、幸福度で家電を選んでいますね。 リモートワークもあり在宅時間も多い今日、Z世代の家電選びのポイントはタイパ・コスパだけでなく「自分が充実できるか」を想像して購入しているようだ。大木さんも家電は妥協せずに気に入ったものを選びたいという。一方で井上さんは最近ワッフルメーカーを購入したエピソードを話してくれた。 井上さん:毎食ワッフルを食べるわけにもいかないですし使用頻度で考えるとタイパやコスパが良いとは言えないですが...(笑)。家でクロッフルを作れたら楽しいだろうと思い、購入しました。 このように、Z世代は家電を「なくてもいい、けどあったら便利」という基準で選ぶ傾向もあり、生活をより充実させるために欲しいものを妥協せずに購入しているのだ。 大木さん:食器は手でも洗えるけれど、あると便利な食洗機は「なくてもいい、けどあったら便利」な製品だと思います。お昼に使用した食器を食洗機に入れれば趣味に時間を費やせるのでタイパが良いのはもちろんですが、「タイパ・コスパありきの心の豊かさ」といった感覚が家電選びの決め手になっていると思います。 ――確かに,先ほど私も体験したひとり暮らし用のパーソナル食洗機『SOLOTA NP-TML1』は様々な用途がありそうです。一人暮らしの人だけでなく一家に一台あると家事の負担が減りそうですね。 大木さん:自分で洗うのが厄介な油汚れやぬめりなど、食器を選抜して本製品に任せるだけでも家事の負担を十分に減らすことができると思います! 「心にゆとりができる」というのはZ世代ならではの家電に求める役割だと感じた。また家電選びに妥協したくないZ世代は、若者のリアルな声も家電購入の決め手の一つになっているようだ。 ■Z世代はハッシュタグから欲しい家電を選抜? TikTokでは「#ルームツアー」「#一人暮らし女子」など、家電をくらしの中で取り入れているZ世代の様子が支持されている傾向にある。Z世代はSNSに投稿されている部屋の雰囲気を参考にして家電を選ぶことも多いのではないだろうか。筆者もSNS上に投稿されている「丁寧な暮らし」に憧れを抱き、紹介されている家電の購買意欲が高まることがある。そこで一人暮らしを始めるにあたりSNSを参考に購入した家電はあったかについて尋ねてみた。 井上さん:家電の見た目はInstagramやXのリアルな口コミなどを参考にしました。気に入った投稿は保存しておいて、後で見返したときに自分がどんな系統が好きなのか、どんな家電に興味を示しているのかなど気づかされることもあります。 また、私はSNSで料理動画を見るのが好きなのですが、冷蔵庫を検討していたときは、このような食生活を送っている人はどのくらいの大きさの冷蔵庫で食材や料理をストックしているのか、というところにも注目していました。自分に必要な容量の目安を確認できるので。 SNSは家電選びの参考ツールになっているのかもしれない。Z世代はSNSの投稿やコメント欄から同世代ユーザーの生活や感想を参考にし、リアルな声や使い心地を知る機会も多いからこそ、自分に合った家電を選抜できているようだ。 ■パナソニックZ世代社員がおすすめする“推し家電”とは 筆者の“推し家電”は衣類スチーマー。筆者が対談を行った当日に着ていた服にも使用してきたという話をすると衣類スチーマーの魅力で盛り上がり、大木さんも井上さんも除菌脱臭もできるという点が便利だと話してくれた。 井上さん:衣類スチーマーはアイロン台が必要なくハンガーにかけている服に使用できるので省スペースになるのも1つの魅力だと思います。また、週末にアイロンをかける時間を設けなくても「今日着ていこう」と思った衣服に手軽にスチームをかけることができるのでいいですよね。 「PRsquare」で筆者が試した新しい衣類スチーマーは筆者の自宅にある旧型と異なり「静電タッチ式スチーム操作」が搭載されていた。ボタンに触れるだけでスチームが出続けるので腕に負担がかかりにくく、シワを伸ばしたい方向に簡単に傾けられるようになっていた。またパナソニックでは衣類スチーマーを含む家電の定額利用サービスも行っており、Z世代の新生活に寄り添ってくれている。 今回の対談を通じて、Z世代は機能や価格だけでなく、「自分が充実できるか」を重視して家電を選んでいることが明らかになった。Z世代が求める働き方と生活スタイルは、家電選びからも伺えるように、多様で豊かになってきているのではないかと実感できた。リモートワークの増加やSNSの影響もあり、家電は生活を豊かにするための重要なツールでもあり、単なる所有物ではなく暮らしの豊かさや充実感を追求するものとして捉えられているのかもしれない。
田中亜梨朱