【ライブレポート】デビュー10周年迎えたフレデリックが同世代のバニラズと音を鳴らした一夜、「SHAKE」でコラボも
フレデリックがgo!go!vanillasを迎えて、9月22日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で対バンライブ「UMIMOYASU 2024 -MOVE-」の「MOVE ON」公演を開催した。 【写真】フレデリックとgo!go!vanillas牧達弥のコラボの様子はこちら 「UMIMOYASU 2024」はフレデリック主催の対バンライブ。Zepp Haneda(TOKYO)を舞台に9、10、11月に3カ月連続で開催され、第1弾の「MOVE ON」には、フレデリックと同世代のgo!go!vanillasが登場。2組はパフォーマンスを通してお互いへ愛やリスペクトを表現した。 ■ go!go!vanillas 先攻のgo!go!vanillasは「お子さまプレート」「クライベイビー」でクラップを発生させ、序盤からワンマンライブさながらの盛り上がりに導く。牧達弥(Vo, G)は「今日はフレデリックと俺たちの絆を確かめてちょうだい! フレデリックをビビらせるぐらい、めちゃめちゃ踊ってもらっていいでしょうか!」と煽り、「青いの。」でオーディエンスを踊らせ、コール&レスポンスを巻き起こした。 MCでは牧がフレデリックについて「フレデリックとは本当に長い付き合いで。俺は同い年だからさ、もう全部ジェネレーションのトークができるのが最高だね。さっきもマンガの『BECK』の話してて、俺が無意識に買ってたギターが、実はコユキのパクリだったんじゃないかって……。ほら、もうわからんやろ?」と語る。そして「フレデリックの三原康司(B)に『俺が書きたかった』って言わせた1曲、やってもいいかい?」と前置きして、ミステリアスなダンスポップ風ナンバー「平安」を披露。さらに「鏡」「カウンターアクション」とアグレッシブなナンバーを畳みかけ、観客を熱狂させた。 「-MOVE ON-」公演のオフィシャルグッズのデザインは三原康司が担当しており、go!go!vanillasにちなんでバニラアイスの図柄が取り入れられている。牧はこれについて「天は五物ぐらい与えてる!」と絶賛。go!go!vanillasとフレデリックとの親密さがうかがえるトークを経て、go!go!vanillasは「来来来」や「エマ」、さらに牧の「俺たちと時代を一緒に歩んできた、フレデリックに捧げるぜ!」という叫びから「平成ペイン」を披露。最後に「one shot kill」で会場を大いに温めてフレデリックにバトンを渡した。 ■ フレデリック フレデリックは6月に配信リリースした「CYAN」でパフォーマンスをスタート。三原健司(Vo, G)が渾身のロングトーンを響かせると、大歓声が沸き起こる。それを聞いた健司は「『UMIMOYASU 2024 MOVE』、今宵の海も荒れそうですね! フレデリックです。よろしく!」と挨拶して、「ジャンキー」へとつなげた。健司の「go!go!vanillas最高だったと思う人!」という声に応えるように、観客は力強く拳を突き上げる。「オワラセナイト」ではシンガロングを発生させ、場内に一体感を生み出した。 健司は「カッコよかったなあ……マジカッコよかった! 9月24日、メジャーデビュー10周年です! この10年、いろんな音楽に出会って、いろんな人に出会って……『このタイミングで一緒に音を鳴らしたい人って誰なんやろ?』って思ったときに、同い年で、自分たちがライバル視することもある仲間で、ずっと進化し続けているバンドをお呼びしたいなと思って。『対バンイベントに誰を呼ぶ?』ってなったときに、一番最初にメンバーから名前が出たのがバニラズでした。go!go!vanillas、最高のライブでした!」とgo!go!vanillasのアクトを感慨深げに振り返った。 そして健司が「メジャー10周年を振り返って、いろんな曲を伝えたいなと思ったときに、『この気持ちをそのまま乗せて1曲やることで伝わるんちゃうかな』っていう曲があるので」と前置きして歌い始めたのは、「名悪役」。彼は「思い出にされるくらいなら二度とあなたに歌わないよ」というフレーズをエモーショナルに歌い上げた。さらにフレデリックは「飄々とエモーション」でオーディエンスの大合唱を巻き起こす。続く「ナイトステップ」からはノンストップのリミックスコーナーへ突入。康司によるシンセベースのサウンドが別世界のようなムードを醸し、「midnight creative drive」から「LIGHT」「逃避行」へと鮮やかに曲が紡がれる。「シンセンス」「スパークルダンサー」に至る頃にはフロアは高揚感で包まれた。 康司が「数ある休日の中で、今日はみんな、バニラズとフレデリックを選んで集まってくれてるわけでしょ? 今、羽田で一番熱い場所」と感激するも、赤頭隆児(G)が「あんまり熱くなりすぎたら、気球みたいな感じで浮いちゃうから」と続けて観客の笑いを誘う。さらに高橋武(Dr)が「ジェットセイヤの好きなところは、バーンって勢いあるドラムなのに、牧ちゃんがしゃべってるときこっそりチューニング直してるところ」、赤頭は「俺も進ちゃん(柳沢進太郎[G])も猫飼っとって、進ちゃん、猫の名前を呼ぶときは絶対ファルセット」とそれぞれgo!go!vanillasメンバーのエピソードを披露した。ライブ終盤、フレデリックはインディーズ時代からの人気曲「バジルの宴」でファンを喜ばせる。そして本編最後に披露されたのは、9月7日に配信リリースされた最新シングル「Happiness」。フレデリックは焦燥感に満ちたサウンドや、「君を謳った幸福論は僕にとっての報復なんだ」というリリックを通して、バンドの最新のモードを打ち出した。 アンコールではフレデリックがgo!go!vanillasの楽曲「SHAKE」をカバー。演奏中には牧が登場し、この日ならではのコラボレーションが実現した。場内が熱気に満ちたところで、健司は「自分らも負けてられへんなとも思うし、一緒に上がっていって、面白い景色を見ていこうかなと思ってますので。これからもよろしくお願いします!」と決意をにじませる。そしてこの日のラストナンバーはメジャーデビュー作品「oddloop」のリードトラック「オドループ」。オーディエンスの大合唱を受け、健司は「10年前のあの日は、俺1人しか歌えませんでした! あれから10年経って、みんなと歌えて幸せです!」と喜びをあらわにした。 なお、フレデリックは10月20日にPerfume、11月30日にTHE ORAL CIGARETTESを迎えて「UMIMOYASU 2024 -MOVE-」を行う。 ■ セットリスト □ 「UMIMOYASU 2024 -MOVE- MOVE ON」2024年9月22日 Zepp Haneda(TOKYO) go!go!vanillas 01. お子さまプレート 02. クライベイビー 03. 青いの。 04. 平安 05. 鏡 06. カウンターアクション 07. 来来来 08. エマ 09. 平成ペイン 10. one shot kill フレデリック 01. CYAN 02. ジャンキー 03. オワラセナイト 04. 名悪役 05. 飄々とエモーション 06. FRDC Remix 07. 銀河の果てに連れ去って! 08. バジルの宴 09. Happiness <アンコール> 10. SHAKE(オリジナル:go!go!vanillas) 11. オドループ ■ 対バンライブ情報 □ UMIMOYASU 2024 -MOVE-(※終了分は割愛) MAKE A MOVE 2024年10月20日(日)東京都 Zepp Haneda(TOKYO) <出演者> フレデリック / Perfume MOVE OUT 2024年11月30日(土)東京都 Zepp Haneda(TOKYO) <出演者> フレデリック / THE ORAL CIGARETTES