三井物や住友商がザンビアの銅鉱山権益への入札を検討-関係者
(ブルームバーグ): 三井物産や住友商事などが、カナダの鉱山企業ファースト・クァンタム・ミネラルズがザンビアに所有する2つの銅鉱山の権益の入札に参加する可能性があることが、事情に詳しい複数の関係者の話で明らかになった。
関係者によると、サウジアラビアのマナラ・ミネラルズ・インベストメントや、鉄鉱石輸出で世界トップのリオ・ティント・グループなども応札を検討しているという。ファースト・クァンタムは、2つの鉱山マイノリティー投資分の売却を検討しており、1次入札は数週間以内に行われる予定だという。
関係者の1人によると、他に入札の可能性があるのは、中国の紫金鉱業集団や、ファースト・クァンタムの大株主である江西銅業だ。江西銅業はファースト・クァンタムの2番目の大株主。別の関係者によるとプロセスは初期段階にあり、すべての関係者が手続きを進める保証はない。
三井物はコメントを控えた。住友商は銅の案件に関しては検討をしているが、個別案件へのコメントは差し控えるとした。ファースト・クァンタム、リオ・ティント、江西銅業の広報担当者はコメントに応じず、マナラ、紫金鉱業とは連絡がとれなかった。
銅鉱山がさまざまな投資家の関心を集めているのは、銅の需要が今後数年で急増すると予想されているからだ。銅は電気自動車(EV)や、太陽光発電など再生可能エネルギーの設備に欠かせないが、新規鉱山の開発は進んでいない。
ファースト・クァンタムは昨年、パナマに保有する主力の銅鉱山を閉鎖するよう市民の抗議を受けた同国政府から命じられた。これにより資金繰りが悪化した同社は、今年初めに約10億ドル(約1540億円)の株式売却や16億ドルの社債発行でローンの借り換えを実施した。同社は規模の小さい資産について処分する方針も示していた。
ファースト・クァンタムがザンビアに所有する銅鉱山は、センチネル鉱山とカンサンシ鉱山だ。これらは同社の昨年の銅生産量と収益の約半分に当たり、営業利益で4億5000万ドル以上にのぼった。