JX金属、次世代半導体材料の生産増強。数十億円投じ体制整備
JX金属は18日、次世代半導体向けCVD・ALD材料の本格供給に向け、東邦チタニウムの茅ヶ崎工場(神奈川県)の敷地内および同社日立事業所白銀地区(茨城県)への生産設備および開発設備投資を決定したと発表した。設備投資額は数十億円。サンプル供給を行ってきた同材料の本格採用で急速な需要拡大が見込まれるため、生産能力の増強を行う。茅ヶ崎工場は2024年度下期、日立事業所は25年度上期をめどに生産設備を導入し、稼働を開始する計画。供給能力は現行の年間数トンレベルから数十トンレベルに引き上がる。 同社は、2月に「CVD・ALD材料事業推進室」を新設し、同材料の早期事業化に取り組んでいる。同組織の下、茅ヶ崎工場に新規高純度CVD・ALD材料の量産ラインを構築し、顧客へのサンプル出荷を進めている。そこで良好な評価を得られており、今後の急速な需要拡大が見込まれるため、生産能力の増強を行うとともに、今後の展開に向けて、より効率的な新規プロセス開発や新規材料開発に向けた設備強化を行う。 生成AIの進化によりデータセンターやAI搭載IoTデバイスの市場拡大が続いている。これらの機器に必要とされる高性能半導体には、高集積化を実現するためにさらなる微細化や多層化が求められ、これに伴いCVD(化学気相成長法)やALD(原子層堆積法)による薄膜形成のニーズが高まっている。