マクロン氏の「賭け」にフランスの新聞「すべて間違いと証明」…極右系RNの「脱悪魔化」路線、現状不満を吸収か
左派政党連合も、3位で決選投票に進んだ選挙区で候補者を撤退させる方針を示した。ただ、マクロン氏は左派政党連合を率いる急進左派との連携に否定的で、協力実現には不透明感も漂う。
フランスでは外交や安全保障は大統領の専権事項だが、議会は予算措置などで外交にも影響力を行使する。RNはロシアの侵略を受けるウクライナへの支援を継続するとしながらも関与縮小の方針を打ち出す。年金制度改革の撤回も公約する。
マクロン氏は、6月上旬に行われた欧州議会選の国内投票で、RNが第1党となったことを受け、国民議会の解散に踏み切った。仏国民に根強い「極右」への警戒感をテコに支持を中道に取り戻せると見込んでの「賭け」だったとみられる。
だが、RNと同時に支持を伸ばしたのが与党連合ではなく、マクロン氏と対立してきた左派政党連合だったことから仏メディアでは「マクロン氏の計算がすべて間違っていたことが証明された」(フィガロ)といった厳しい評価が相次いだ。
RNは極端な排外主義的な主張を薄めて治安改善や経済格差の是正に焦点を絞る「脱悪魔化」と呼ばれる路線で、現状への不満を吸収したとみられる。