『べらぼう』吉原を描く制作陣の思い 朝顔(愛希れいか)を通じて伝えたかったことも明かす
第1回「ありがた山の寒がらす」は明和の大火から描かれ、その1年半後、蔦重こと蔦屋重三郎(横浜流星)は、茶屋で働く傍ら貸本業を営んでいた。ある日、幼なじみの花魁・花の井(小芝風花)から、朝顔(愛希れいか)に届けものを託される。しかし蔦重が、浄念河岸の二文字屋を訪れると、ひどく衰弱した朝顔の姿があった。そして、朝顔はついに命を落とし、着物をはぎ取られた裸の姿で捨てられてしまう。吉原の場末である河岸見世の女郎たちの酷い惨状を見て、蔦重は思い悩むという展開が描かれた。 吉原を伝える上で、大きな役割を果たした朝顔は、幼少期の蔦重と花の井に赤本(子供用の絵本)を読み聞かせ、蔦重が本の世界の楽しさ、面白さを知るきっかけとなった元・松葉屋の花魁。体を壊してからは、きく(かたせ梨乃)が女将を務める河岸見世「二文字屋」に身を寄せていた。 森下氏は、朝顔を描いた理由について「蔦重に初めて物語や希望を与えた存在は誰なんだろうと思ったときに、資料上で誰か確定しているわけではなかったので、その役目は優しい女郎さんだったんじゃないかなと思ったのが一つです。あとは、吉原の女郎さんって基本的にはこういう人生を歩む人が多いということも伝えたいなと思い、ああいう設定にさせていただきました」と明かした。 (C)NHK
酒井青子