富士山の通行料4000円へ 山梨県知事が方針表明
富士山の通行料4000円へ 山梨県知事が方針表明
来年の富士山の吉田ルートの登山規制について、長崎幸太郎・山梨県知事は19日の定例記者会見で、通行料をこれまでの2000円から4000円に引き上げる方針を正式に表明しました。
新たな登山規制の概要
2025年夏の登山シーズンから、山梨県側では、富士山の登山料が現行の2000円から4000円に引き上げられる見通しとなりました。これに伴い、現在任意で徴収されている保全協力金1000円は廃止されます。これによって、入山料や通行料などの実質的な登山者の負担は山梨県と静岡県で4000円で足並みが揃うことになります。 また、駆け込み登山を防止するため、ゲートの閉鎖時間も午後4時から午後2時に前倒しされ、翌朝午前3時まで閉鎖されることになります。 山梨県側の1日あたりの入山者数の上限は4000人で維持される見通しです。
山梨県知事「4000円は適正な水準」
山梨県の長崎幸太郎知事は、「4000円という金額は適正な水準だと考えています。今シーズンの実績を踏まえまして、来年度以降の安全な登山環境の整備、さらなる安全対策強化に必要な経費を改めて精査し、算定したものです。山に登らない一般県民の皆様にとっては、やはり必要な経費というものは受益者負担でやるべきです」と述べました。 また、落石や噴火時に飛んでくる噴石などから登山者を守る目的で、来年度以降、合わせてシェルターを13基、順に設置していくことも明らかにしました。
山梨県側から入山して静岡県側から下山した場合は?
山梨県側から富士山に登って、静岡県側から下山する際には登山者の支払いは合わせて8000円となる心配はないのか。 この点について、長崎山梨県知事は、会見で「8000円は高いので、どちらかから払えばいいと思います」と述べて、今後、静岡県と調整を進めていくことを明らかにしています。
今後の予定
この新たな登山規制を実施するため、山梨県は2025年2月の県議会に条例改正案を提出する予定です。 富士山の環境保全と安全な登山環境の整備は、日本の自然遺産を守る上で重要な課題です。今回の通行料引き上げと規制強化が、富士山の持続可能な利用につながることが期待されます。登山を計画している方々は、これらの新しい規制を念頭に置いて、準備を進めていただきたいです。 編集:竹中侑毅
FUNQ編集部