リンゴ園と醸造所が協力、「紅玉」入りビール開発 果汁で風味豊かに 青森・三沢市で発売
2025年の青森リンゴ植栽150周年を盛り上げようと、青森県弘前市のリンゴ園と三沢市の醸造所が協力し、三沢の歴史にゆかりがあるリンゴ「紅玉」の果汁を加えたクラフトビール「Misawa Veedol HAZY IPA(ミサワ・ビードル・ヘイジー・アイピーエー)」を製造し、2日に発売した。ビールを醸造した三沢市の「金星醸造」の中居亮(まこと)さん(34)は「ビールを飲みながら、リンゴと地元の歴史も楽しんでほしい」と話した。 ラベルには、1931(昭和6)年に三沢から飛び立ち、世界初の太平洋無着陸横断飛行を成功させたミス・ビードル号の機体と航路をあしらった。ビールに配合した紅玉には、三沢を出発前の米国人飛行士に、地元女性が土産に贈ったエピソードがある。 ビールは、麦汁とリンゴ「ふじ」の果汁をアルコール発酵させた後、紅玉の果汁をブレンドし豊かな風味を加えて作った。中居さんは「地元のフルーツを使ったビールを作りたかった。ビールが苦手な方でも楽しめる味わいに仕上がった」と話した。 ビール販売を企画し、原料を提供したのは、工藤農園(弘前市)の代表取締役・工藤貴久さん(52)。これまでも、地元弘前や五所川原の酒店などとリンゴ果汁入りのビールを企画し、今回で第3弾となる。津軽地域以外の醸造所と連携するのは初めて。 工藤さんは「近年はさまざまな気象災害でリンゴが作りにくくなっている。付加価値の高い製品を生み出すことで(生のリンゴに比べ単価が低い)加工用に多く回ったとしても、リンゴ生産を維持できる環境をつくりたい」と語った。 1本330ミリリットル入りで、価格は900円(税込み)。三沢市の中居酒店で購入できる。