7月消費者物価 米18%上昇 20年ぶりの伸び率
総務省が23日に公表した7月の全国消費者物価指数で、米が前年同月比で急伸した。「コシヒカリ」を除くうるち米が前年同月比18%上昇し、約20年ぶりの伸び率を記録。家庭向けを中心に米の販売ペースが加速したことで、流通業者の在庫はタイト感を増し、店頭価格の値上げや特売の休止につながった。 年明け以降、米の消費者物価指数は前年を大きく上回る水準が続いている。7月は一層伸び幅を広げた。「コシヒカリ」も同15・6%上昇した。 23年産米は昨夏の猛暑の影響で流通量が少ない一方で、販売は前年を上回るペースで進む。他食材に比べた値頃感で家庭向け精米商品の引き合いが強まっている他、インバウンド(訪日外国人)の増加などで業務需要も堅調だ。 そうした中で、流通業者の在庫不足が深刻化した。大手米卸は、「販売ペースを抑えなければ、供給が続けられない状況」としている。スーパーなどの小売りでも、値上げや特売休止の動きが広がった。 米を使った食品も値上がりしている。せんべいが同16・1%、おにぎりが同5・7%それぞれ上昇した。 生産食品を除く食料は同2・6%上昇したが、6月の同2・8%から伸び率は鈍化した。生鮮食品を除く総合指数は同2・7%上昇で、伸び率は3カ月連続で拡大した。
日本農業新聞