「異変に気付くのでは」 青カビ混入か、経路焦点
小林製薬の紅こうじを使ったサプリメントの原料から、青カビがつくる「プベルル酸」という天然化合物が検出された。製造過程で、紅こうじ菌を付着させる米や、培養時に青カビが混入した可能性がある。機能性表示食品に関する消費者庁の検討会で委員を務めた合田幸広氏が9日までに取材に応じ「(青カビ混入などがあれば)現場は少なくとも何らかの異変に気付くのではないか」と指摘した。 一方「青カビの種類によっては気付かないこともある」との見解の専門家もいる。プベルル酸を巡っては、報告が相次ぐ腎疾患との関連とともに、含まれるに至った経路の解明も焦点となる。 合田氏は、紅こうじ菌の培養過程で想定外の物質が大量につくられたのだとすれば「色が変わることもあるだろう」と話し、製品の状態に変化が起きるとする。 紅こうじ菌は、青カビやこうじ菌に比べ、生育スピードが遅い。琉球大の橘信二郎准教授(微生物利用学)によると、実験室では、蒸した米に紅こうじ菌を付着させ、米の水分と温度を調節しながら培養する。