石坂浩二が考える“ホンモノ”の役者「昔は殴り合いもした(笑)。談義をした仲間はみんなもう死んじゃいました」
御年83歳。NHK大河ドラマに、“大型時代劇”と呼ばれた第1作『花の生涯』から、これまで主演を含めて、実に11作に出演してきた石坂浩二。来年は、『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で12作目の出演を果たす。今年は映画も2本公開。趣味の広さや博識な姿で、俳優業以外でも知られ、「芸能界に石坂浩二あり」の存在だ。そんな大ベテラン・石坂さんのTHE CHANGEとは──。【第3回/全4回】 ■【画像】石坂浩二が演出を手掛けた、ファーストコンサート当時のキョンキョン! ドラマ『北の国から』(フジテレビ系)などで知られる倉本聰さんが長年にわたり構想してきた美術品の“贋作”をテーマに原作・脚本を務め、本木雅弘さんが孤高の天才画家を演じる映画『海の沈黙』。石坂さんは、世界的に成功している画家・田村修三を演じている。 倉本脚本にはこれまでいくつも出演してきた石坂さん。近年では主演ドラマ『やすらぎの郷』(テレ朝系)が記憶に新しい。 「倉本先生の作品は、お城みたいなんですよ。細かく組み上がっていく日本のお城。出来上がっていくことでだんだんと分かっていくんです。今回の場合は映画ですから、構築の感じに違いがありましたね。 すごい長いドラマと比べると“なるほど”という分かりやすさはあるんですけど、役者は書かれていることを鵜呑みにすることが一番危ないので、まずは戦うところから役作りしていきました」 ──俳優さんのいわゆる“役作り”というのは、まったく想像のかなたにある作業です。 「なりきるとか言うけどね。自分が変わるわけではないので。私は、それは無理でしょうと思います。絶対に他人なんだから。他人だと思って探っていかないと、役を演じ切れません。探っていって、“この人はこういうときにこうだろう、じゃあ、こう表現しよう”と作っていくわけですから。絶対に2人いるわけです」 ──なるほど。違いを感じながら、役のことを探っていくと。 「そうです。まず、どう違うのかを探っていく。その作品で訴えたいものとかなんとかってことを考えちゃうとダメ。そこを考えるといい人だとか、悪い人だとかってなっていってしまう」 ──そこは見る人に任せるということでしょうか。 「あとは監督に任せる」
【関連記事】
- ■【続きはコチラ】『海の沈黙』石坂浩二、人生の転機は“自身の声を変えたこと”と「“石坂浩二”という名前になった瞬間。しっくりきた瞬間はない」納得の理由
- ■【最初から読む】石坂浩二、小泉今日子デビュー1周年ファーストコンサートの演出をしていた。40年の月日経て『海の沈黙』夫婦役に
- ■石坂浩二【#2】『べらぼう』で大河出演12作目に。大河ドラマならではの特別感と大変さを語る「時代劇の出演には時代を選ばないと」
- ■星野真里「ここがひとつの転換期だったと思います」児童劇団から大人気ドラマに大抜擢
- ■貴乃花光司、小泉純一郎からの「感動した!」の裏にあった武蔵丸との秘話、最近の相撲界の変化と日本相撲協会退職後の私生活