「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」の未来技術、どれだけ実現した?
「自動犬散歩マシン」も実現
映画では、電光掲示板で道路渋滞情報を確認することも未来技術として表現されたが、今や当たり前過ぎて見過ごしてしまうほどだ。劇中で悪役ビフがタクシーの支払いに使った指紋決裁も、普及しつつある。 小型情報端末・コンピューターも、スマホやタブレット端末として実現している。メガネ型コミュニケーションツールも「グーグルグラス」として発売され、iPhoneの「Siri」を使えば、劇中のように、機械に話しかけるだけで操作ができる。テレビも薄型になり、同時に複数のチャンネルを表示することもできるようになった。テレビ電話もいまや普通だ。マーティがカフェで頼んだように店員ではなく、機械を通じてオーダーすることも、最近の居酒屋や回転寿司ではよく見る光景だ。マーティが気を取られ、悪役ビフにタイムマシンを乗っ取られるきっかけとなった「自動犬散歩マシン」は、アメリカでドローンにより実現したという。
映画を追い越したテクノロジーも
映画に出てきたテクノロジーを追い越して発展した技術もある。まずは、テレビの画質だ。映画で出てくる2015年のテレビの画質よりも遥かに緻密な画質が実現した。ここまで画質が進化するとは予想していなかっただろう。 そして、最も予想を超えたのは、インターネットの発達だ。劇中で、未来のマーティは、日本人上司「フジツウさん」にFAXでクビを宣告される。日本を除く世界では、もうほとんどFAXは使われなくなり、電子メールによるやり取りが普通になった。インターネットが普及するのは映画公開から10年以上後のことだ。
カブス優勝の予言は実現するか?
バック・トゥ・ザ・フューチャーには、大リーグに関する有名な「予言」がある。ひとつは、当時チームのなかったフロリダ州マイアミに球団ができるということだ。これは、1993年フロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)が創設されることで実現した。 もう一つは、2015年のワールドシリーズチャンピオンがシカゴ・カブスだということだ。これが今年、実現するかもしれない。カブスはワールドシリーズ制覇から107年遠ざかっていて、地元メディアに「オスマン帝国があった時代から勝てていない」と言われるほどだった。そのカブスが、今年はワイルドカードを勝ち抜き、メッツとのナショナル・リーグ優勝決定戦に進出している。ナショナル・リーグ優勝を果たし、ワールドシリーズも優勝し、当時ありえないシナリオだと考えられていた「カブス優勝」というバック・トゥ・ザ・フューチャーの予言が実現するのか、ファンは注目している。 (中野宏一/THE EAST TIMES)