“9割本”の多さに着目した「#9割がいっぱい」な「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール」の宣伝施策!その狙いと反響は?
サントリーの調査によると、「人は話し方が9割」などのいわゆる“9割本”が300冊以上出版されていることに対して、実に9割以上の人が「多い」と感じていることが明らかに。この結果を受け、サントリーは9割にちなんだ「#9割がいっぱい」な「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール」の施策を展開している。なぜ9割本に着目したのか、本施策実施への経緯を担当者に聞いてみた。 【写真】「9割が9割」の気になるWebCMとは… ――今回の施策ついて、目的、狙い、ターゲットなどについて教えてください。 香るエールが持っている「自由で青空のような開放感」を伝える目的で実施しました。「9割本でいっぱい」な世の中の現象をテーマにして、「気にすることや悩むことっていっぱいあるけど、たまには自由になってみない?」と投げかける企画です。入社したての新入社員から部下を抱えた管理職まで、世代を問わず悩める人は数多くいると思いますので、広いターゲットに届くメッセージを目指しました。 ――今回の施策の中でイチオシ、目玉となるものを教えてください。 新宿駅の地下通路、メトロプロムナードで掲出した「9割本でいっぱい」な交通広告が目玉です。実在する9割本が超大型サイズで並び、通路を埋め尽くす異様な空間を設計しました(8月11日までで掲出は終了しています)。また、広瀬すずさんが9割に翻弄される『広瀬すず、9割本実践してみた』動画も見ていただくと、企画の意図がより伝わると思いますので、ぜひご覧ください。 ――今回の企画のアイデアはどのようにして生まれましたか?また、苦労した点があれば教えてください。 「〇〇が9割」フォーマットの本は世の中に300冊近くあるらしく「人って一体どれが9割なの?」という素朴な疑問から企画が始まりました。なかでも苦労したのが、出版社や著者の方に許諾をもらう作業です。ともすると著者をバカにしているとも受け取られかねないなかで、丁寧に交渉を重ね、最終的に24社・45冊の協力を頂きました。 ――なぜ「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール」の施策として9割本に着目されたのでしょうか? 理由は2つあります。1つは、商品が持つ「自由で青空のような開放感」を伝えること。最初に悩みやモヤモヤする状況を描いて、そこから開放される企画の展開にすると、うまく伝わるのではと考えました。世の中に溢れる悩みの象徴として、9割本に着目しました。もう1つは、「9割じゃないほう」の味わいを伝えること。実は、日本のビールはラガータイプが9割。一方「香るエール」のエールタイプは残りの1割側の1つです。普段何気なくビールを選んでいる人に、実はそれ、ラガータイプばかりですよ?たまには9割じゃないほうも試してみませんか?とそっと商品を薦める狙いもありました。 ――反響はいかがでしたか? 「9割・9割・9割…って一体何の広告??」と異様な空間に驚く反応や、「ExcelはIFが9割」「余白が9割」など思い思いの9割を披露する人、「残りの1割って結構大事かもなぁ」と共感を寄せる人まで、企画の切り口に乗っかる投稿がさまざまに得られました。 ■ “9割本”に関する意識調査結果 “9割本”が300冊以上あることに多いと感じる人は9割超、興味がある人は約8割 「“9割本”が世の中に300冊以上あると聞いて多いと感じますか」という質問に対して、91.4パーセントが「とても多いと感じる・多いと感じる」と回答【図表1】。「“9割本”が気になったことがありますか」という質問では、78.0パーセントが「とてもある・ある・たまにある」と回答し、約8割の人が“9割本”に興味を持っていることが判明した。【図表2】。また、“9割本”が気になった理由として、「書店で見かけて」(49.2パーセント)」が最も多く、次に「よく目にするから(41.8パーセント)」と、多くの人の目に留まることから“9割本”が気になる人が多いということが判明した。【図表3】。 “9割本”を読んだことがある人は2人に1人! 「“9割本”を読んだことがありますか」という質問では、「読んだことがある(よくある・ある・たまにある)」と50.0パーセントが回答し【図表4】、その理由として「悩みを解決するため」が33.2パーセントと最も多いことから、悩みを解決するために“9割本”を選ぶ人が多いことが判明した。【図表5】 9割以上の人が日々の悩みがなくならず、自由に過ごせる時間を大事にしたいと考えている 「日々の中で悩みはなくならないと感じますか」という質問では、「とても感じる・感じる」が91.4パーセントと9割以上の人が日々悩んでいることが判明【図表6】。「自由な余白の時間を今まで以上に大事にしたいと思いますか」という質問では、94.2パーセントが「とても思う・思う」と回答し、9割以上の人が余白時間を大事にしたいと考えることが明らかに。【図表7】 【調査概要】 調査名称:“9割本”に関する意識調査 調査委託先:株式会社ネオマーケティング 実施時期:2024年7月4日~7月5日 調査対象:全国20~59歳の男女500人 多く目にする“9割本”を用いたユニークな施策。9割にとらわれすぎず、たまには1割のタイプのビールを手に取って普段とは違った味わいを楽しんでみてはいかがだろうか? 文=岸遥南