厳しい冬のモンゴル高原……遊牧民が乗り物に選ぶのはラクダ
こうした地域の人々が、激減するラクダを救うため、隣接するスニド・ジューン・ホショの地域と一緒にラクダの保護に取り組んできた。ラクダ文化協会をつくり、ラクダに関する伝統祭りや行事を行うことが多くなってきている。 地方政府が、仔ラクダが生まれた際に補助金を出すことなどで、近年ラクダは増えてきた。その一環として、この冬祭りは行われている。 また、ラクダのミルクが糖尿病や高血圧などに効果があることが注目されたことから、小規模だがラクダのミルクやヨーグルトを生産、付加価値の高い商品を北京や上海など大都会の富裕層に売り込む活動が盛んになっている。(つづく) ※この記事はTHE PAGEの写真家・アラタンホヤガさんの「【写真特集】故郷内モンゴル 消えゆく遊牧文化を撮る―アラタンホヤガ第8回」の一部を抜粋しました。 ---------- アラタンホヤガ(ALATENGHUYIGA) 1977年 内モンゴル生まれ 2001年 来日 2013年 日本写真芸術専門学校卒業 国内では『草原に生きるー内モンゴル・遊牧民の今日』、『遊牧民の肖像』と題した個展や写真雑誌で活動。中国少数民族写真家受賞作品展など中国でも作品を発表している。 主な受賞:2013年度三木淳賞奨励賞、同フォトプレミオ入賞、2015年第1回中国少数民族写真家賞入賞、2017年第2回中国少数民族写真家賞入賞など。