実は3世代前にもあった「ワゴン」 BMW M5 ツーリング(E61) UK中古車ガイド V10の調子へご注意!
新車時代のAUTOCARの評価は?
ライバルの水準を凌駕する、高い性能を備えたモデルの登場は珍しい。新しいM5は、まさにそれ。AMGやアウディの競合とは異なる、非常にディープなキャラクターが与えられている。数か月運転したくらいでは、すべてを体験することは難しいだろう。 とてつもないパワーにも関わらず、ドライバーへ特別な技術を要求しない。一方で、腕利きドライバーを思い切り走りで報いてもくれる。 燃費は良くないし、数年後の残存価値は高くないかもしれない。しかし、完成度は素晴らしく、走りは魅力的。世界最高のクルマと表現しても、間違いではないだろう。(2004年11月2日)
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レベッカ・ローテンバーグ氏 「300km/hのステーションワゴンです。普通の人には、古い5シリーズ・ツーリングにしか見えないでしょう。でもファンにとっては、BMWのマスターピースの1つだと思います。欠陥はありますが」 「最大の特長はエンジン。高額な修理へ見舞われる可能性もありますが、適切なメンテナンスを怠らなければ、そこまでトラブルが多いわけではありません。むしろ、燃費が最大の弱点でしょう。ガソリンスタンドのスタッフと、親しくなれますよ」 「ガソリンタンクが小さく、高速道路でも400kmくらいしか走れません。でも、自然吸気のV10エンジンが許させてしまうんですよね」
購入時に気をつけたいポイント
■エンジン S85型V10ユニットでは、可変バルブタイミング機構、ヴァノスのオイルポンプが故障しやすい。オイルパン内に実装され、高い圧力が掛かるため、放置しておくと致命的な不具合に繋がる。油圧やヴァノスの警告灯が点いている場合は、この故障を疑う。 英国では、交換に1基あたり2000ポンド(約38万円)ほど必要。予め予算を組んでおきたい。 10基のスロットルボディは、バンク毎に1基のスロットルアクチュエータが制御している。故障時の交換費用は、英国では1000ポンド(約19万円)ほど必要とのこと。スロットルポジション・センサーも、一緒に交換する必要がある。 エンジン内のコンロッド・ベアリングは、摩耗しやすい。常に多くの負荷が掛かる部品なため、11万km手前での交換を、M5を得意とするガレージは推奨している。 ■トランスミッション SMGと呼ばれるセミAT内に実装された、油圧ポンプの故障は珍しくない。修理費用は5000ポンド(約95万円)ほど。 ■ブレーキ 車重が1955kgもある高性能ワゴンだから、さほど活発に走らせなくても、ブレーキは減りが早い。ディスクは、6万km前後での交換が必要になる。 ■電気系統 当時は最先端だったとしても、まだ技術的には未完成といえた電子機器が多く載っている。オルタネーターの故障、iドライブのフリーズなどは珍しくない。ECUは、最新のソフトウエアへアップデート可能だ。