変貌を遂げる2017年のFI界。メルセデスAMG王国を倒すのはどこ?
F1界はいま、2017年に向けて緊張と興奮の真っ只中にいる。理由は、17年のF1が大きな変貌を遂げることが予想されているからだ。 まず、F1は17年にレギュレーション(規則)が大きく変わる。フロントウイングの幅は1650mmから1800mmに拡大。リアウイングの幅は750mmから950mmに広がり、高さは950mmから800mmと低くなる。さらに、ディフューザーが高さ125mm×幅1000mmから高さ175mm×幅1050mmに変更。ディフューザーとはマシン後端にある空力パーツで、前後のウイング以上にF1のエアロダイナミクスに大きな影響を与える。これらのレギュレーション変更はすべて、空気の力を利用してマシンを地面に押し付ける力であるダウンフォースの量を増加させることで、オーバーテイクする機会を増やして、F1をもっとエキサイティングにしようという狙いがある。 空力だけではない。タイヤのサイズも17年は新しくなる。フロントタイヤは245mmから305mm、リアタイヤも325mmから405mmと約25%幅が広くなる。これはブレーキング時のメカニカルグリップを増加させて、オーバーテイクを仕掛けやすくするためである。 ある調査機関が弾き出したシミュレーションでは、これらの変更によって17年F1マシンは1周あたり4~5秒タイムが向上すると言われている。 このレギュレーション変更は、オーバーテイクしやすくなる以外にも17年のF1をエキサイティングにする可能性がある。それはレギュレーションが大きく変更された年のF1は、勢力図が様変わりしてきたからだ。3連覇中のメルセデスAMGが常勝街道を歩み出したのも、14年から導入された新しいレギュレーションに因るところが大きかったし、その前にF1界を席巻していたレッドブルも09年のレギュレーション変更が大きな弾みとなった。 そもそもレギュレーション変更は勢力図を変える変えるために行われており、それは今回の変更に最後まで異を唱えていたのがメルセデスAMGだったことからもわかる。メルセデスAMGのトト・ウォルフ(エグゼクティブディレクター/ビジネス)も「レギュレーションの変更によって、われわれが持っているアドバンテージを失うことになるかもしれない」と危惧している。 では、3年間続いたメルセデスAMG王国を倒すとしたら、どのチームか?