早稲田大学在学中にセクシー女優デビュー、親バレ。引退後も抱える“家族への複雑な思い”
「自分の人生を終わらせたかった」 セクシー女優になった理由をこう表現する文筆家の神野藍(25)。現役時代は「渡辺まお」名義で活動し、2022年に引退。いったい彼女は人生の何を、終わらせたかったのか。 ⇒【写真】元「渡辺まお」、現在は文筆家として活動する神野藍(25歳) 今回は、彼女の生まれ故郷や家族について。「両親には、罪の意識に苛まれる日もあります」と語る神野。親バレ、兄との関係、両親への複雑な思いに話は及んだ。(記事は全3回の2回目)
週刊誌の表紙がきっかけで“親バレ”
「親バレのきっかけは雑誌でした。週刊誌の表紙に、私の顔写真が載っていたのを親戚のおばさんが見つけてしまって。そこから親に伝わりました。雑誌が発売されて1週間後ぐらいに『なにか話すことあるよね』と母親からLINEがきました。 もちろん私もいつかはバレることは覚悟していました。私も『この仕事をやるなら親の死に目に会えなくても仕方ない』くらいの気持ちでやっていたので、親からの連絡も突っぱねる感じでしたね。 ただ、親も親で縁を切りたくないという感じだったのかな。『あなたのことはわかってるよ』と下手(したて)に出てくるようになったんですよね」 筆者(アケミン)はかねてからいわゆる「親公認セクシー女優」のインタビューをしているが、娘の職業を知った際の親の反応は実にさまざまだ。絶縁宣言をする親もいれば、前向きに「応援」する親もいる。そしてこれは、あくまで肌感覚だが「怒る親」のエピソードは、一昔前に比べると少なくなっているようにも思える。 「私、子どもの頃からほとんど怒られたことないんです。せいぜい進研ゼミを溜めてしまったことぐらい(笑)。自主的に勉強するタイプだったし、手がかからない子だったと思います。ただその一件以来、地元にも帰っていないし父親とは一切口をきいていません。母親とは誕生日に連絡を取り合うぐらいですね」
「愛情を過不足なく受けてきた」しかし抱いてきた家族への複雑な思い
神野は宮城県出身、仙台市郊外のベッドタウンで生まれ育った。「何の変哲もない平均的な場所」と神野は過去のエッセイにつづっている。実家は自営業、4歳年上の兄がいる。 「愛情を過不足なく受けて、育てられたと思います。家族旅行にもよく行ったし、クリスマスやひな祭りなど季節の行事も、誕生日も祝ってくれる『ちゃんとした』家族ですね。親世代にしては珍しく、父は洗濯と掃除、母が料理と夫婦で分担していましたね。ずっと自慢の両親でした」 温かな家庭で育った反面、複雑な思いもある。 「私、お兄ちゃんとずっと比べられて生きてきたんですよね。私は気が強いし、言いたいことを言えるタイプ。でもお兄ちゃんはまったく逆のタイプなんです。 兄は真面目で努力家なんだけど本番に弱いタイプ。なので受験も苦労して、大学受験では二浪していました。親戚からも『あんたとお兄ちゃん、性格が逆だったらよかったのにね』なんて言われていましたね」 勉強が得意だった神野は、高校受験では県内有数の進学校に合格した。 「私が受かった高校は、兄が落ちた第一希望校でした。当時、お兄ちゃんは浪人中だったので、両親はお兄ちゃんに気を遣って、誰も私の合格を祝ってくれなかったんですよね。それなのに親戚や近所の人には、私が難関校に合格したことを自慢して回って。なんだかんだ言って家の面子(メンツ)が大切だったんだと思います」