元トヨタのアル-アティヤ、ダカール”強力ライバル”アウディの早期リタイア予想「最初の3日で帰るだろう」
サウジアラビアを舞台とする2024年のダカールラリーが1月5日にスタートするが、プロドライブのマシンを駆るナッサー・アル-アティヤは、電動マシンを使うアウディが早々にラリーをリタイアすると予想しているようだ。 【動画】60%が新ステージ! ダカールラリー2024のルート 2017年からトヨタの一員となり、3度(2019年、2022~2023年)のダカール制覇を成し遂げたアル-アティヤは今回、自身の名を冠するナッサー・レーシングからダカールラリーに参戦。プロドライブのマシンを操り、計6度目となるダカール制覇を狙う予定だ。 これは、2025年からプロドライブ製のマシンでダカールラリーおよびラリーレイドを戦うダチアへと合流することを踏まえた動きだ。 そんなアル-アティヤにとって強力なライバルとなりそうなのがアウディだ。アウディは2022年から電動車両のRS Q e-tronを投入しているが、9月に大幅なアップデートを施したRS Q e-tron E2を公開した。 そしてその後、FIA世界ラリーレイド選手権委員会は再生可能エネルギーを使用するプロトタイプカーのためのT1.Uクラスの性能バランスを調整。これにより、RS Q e-tron E2は15kWの追加出力が与えられている。 motorsport.comの取材に応じたアル-アティヤは、アウディが優勝争いの主役になるのではと尋ねられ、大胆な予想を口にした。 「アウディ? 彼らは3日間で家に帰ると思うよ。モロッコでもアラゴンでも、100キロ走っただけで帰っちゃったからね」 アウディはダカールラリー2023の途中、ステージ5を前に行なわれた性能調整で、8kWの出力アップを受けている。この際、アル-アティヤは激しく批判。「レースを早い段階で”殺して”くれてありがとう」とコメントしていた。 今回の調整についてアル-アティヤは控えめなトーンで、次のように付け加えている。 「FIAには別のビジョンがあるのだから、それを受け入れるしかない。最初の3日間で、アウディが速くなることがわかるだろう」 アウディやトヨタを相手に、過酷なラリーに挑むアル-アティヤ。プロドライブは前回のダカールで信頼性トラブルに見舞われたが、自身のドライビングスキルによってそうしたトラブルを避けることができるとアル-アティヤは考えている。 「僕が(トヨタから)移籍した理由は、来年のダチアとの契約があるからだ。チームとは3年の契約で、少なくともフィードバックできるし人を知ることができる。だから移籍したんだ」 「トヨタの実績を見ると、僕以外のクルマがみんな問題を抱えていたことが分かる。ダカールにはダカールの難しさがあるからね。どのクルマも同じだ」 「もし毎日限界まで走れば、問題が生じるだろう。それでも限界まで攻めることを考える必要がある。トヨタの信頼性だとか、(プロドライブの)ハンターの信頼性という問題じゃないんだ」 「トヨタの歴史を見ると、毎回15台以上のマシンが参戦しているが、僕以外はすべて挫折を味わっている。それには僕の秘密があるんだ。君には言えないよ」 「秘密のままにしておく必要がある。クルマを大切にすることや、良いポジションとスピードを保つことはとても重要なことだからね。そうでなければ、クルマは壊れてしまう」
Mario Galán