杏38歳「1日2万歩くらいは歩いてます」パリでの“がんばらない”日々
終盤の雨は、演出ではなく本当に降り始めた
――本作は、風景も作品のカラーや世界観を作るのに役割を果たしています。 杏「本当に作っていない風景なんですよね。終盤に、雨がバーッと降って来るシーンがありますが、あれも神がかっていたなと」 ――演出ではなく、実際の雨なんですか? 杏「あの瞬間から本当に降り始めたんです。みるみる暗くなって。スケジュールもあったので、降る前に早く撮影を終わらせなきゃと思っていたんです。詳しくは言えませんが、あの大事なシーンの本番、あの瞬間に、ザーっと降ってきた。“すごいね”と話していました」
子どものすごさ。はじめは歩くこともできなかったのに
――さて、杏さんご自身は、お子さんのいるお母さんでもあります。改めて「子どものすばらしさ」を言葉にするなら? 杏「すべてをゼロスタートで頑張らなきゃいけないわけですよね。日々知らないものに直面して。朝から夕方まで座りっぱなしで勉強するなんて、すごいなと思います。よく頑張ってるな、すごいなと。 はじめは歩くこともできなかったのに、すべてを新しく獲得していく。新しい言葉を知って、文字が書けるようになって。すごいと思うとともに、自分もそうだったんだなと、循環(じゅんかん)して考えるようになりました」 ――杏さんには「キレイでしっかりしていて何でもできる」といった完璧なイメージを持つ人が多いと思います。そんななか、YouTubeチャンネル、InstagramといったSNSでは素顔を少し見られます。SNSはご自身にどういった影響がありますか? 杏「役者やモデルとしてパリっとしたところを見せていると、どうしても“スゴい”と見られてしまうというか。そういったイメージを持たれがちだなというのは思っていました。でも全然そうじゃないし、おおざっぱなところもすごくあるので、“実はこうなんだよ”というのは、共感して見てもらいたいなというのはあります。 それこそインタビューしてくださる方からも、“お水ひとつから全部選んでらっしゃるんですよね?”なんて言われたりするんですけど、“いやいや、全然水道水をジャーですよ”とか。ひとり歩きしている部分もあったので、もう少しみんなに知ってもらえるようになった部分はあるかなと思います」