大型補強でチームを変えた…史上最高のFA投手5人
プロ野球の世界では、環境を変えることでさらなる高みを目指す選手がいる。その代表例がフリーエージェント(FA)移籍だ。しかし、過去を振り返ってみると、移籍後に期待通りの働きを見せた選手はそう多くない。ここでは、新天地でも成功を収めたFA戦士を紹介する。【投手編】 【写真】球界に衝撃…まさかの退団を経験した大物5人
工藤公康
投打:左投左打 身長/体重:176センチ/80キロ 生年月日:1963年5月5日 経歴:名古屋電機高 ドラフト:1981年ドラフト6位 工藤は、名古屋電機高(現・愛工大名電高)からドラフト6位で西武に入団。左のエース格として黄金期を支えた。その後、4年連続となる2桁勝利を記録した1994年オフにFA権を行使。当時低迷期にあったダイエー(現・ソフトバンク)へ移籍する。 移籍初年度から開幕投手を任され、チームトップの12勝を挙げるなど奮闘した。そして、在籍5年目となった1999年に11勝7敗、196奪三振、防御率2.38をマーク。チームを福岡移転後初となるリーグ優勝と日本一に導き、自身は最優秀防御率と最多奪三振、最優秀選手(MVP)に輝いた。 同年オフに2度目のFA宣言を決断し、3年間リーグ優勝から遠ざかっていた巨人へ移籍。巨人でも移籍初年度の2000年から12勝5敗の成績を残し、最高勝率(.706)などのタイトルを戴冠。“優勝請負人”の期待に応えてリーグ優勝、日本一の原動力となった。 その後も第一線で活躍を続けた工藤。NPB最長となる29年間の現役生活を送り、選手として14度のリーグ優勝、11度の日本一を経験した。
杉内俊哉
投打:左投左打 身長/体重:175センチ/82キロ 生年月日:1980年10月30日 経歴:鹿児島実-三菱重工長崎 ドラフト:2001年ドラフト3巡目 杉内は、三菱重工長崎から2001年ドラフト3巡目でダイエー(現・ソフトバンク)に入団。ルーキーイヤーから初登板初勝利を挙げるなど存在感を示すと、プロ4年目の2005年は18勝4敗、218奪三振、防御率2.11と圧巻の数字。最優秀防御率と最多勝、さらには最優秀選手(MVP)、沢村賞などに輝いた。 その後も数々のタイトルを獲得し、左腕エースとしての立場を確立。確かな実績を引っさげ、2011年オフにFA移籍で巨人入りした。 新天地でも初年度から無安打無得点試合(ノーヒットノーラン)を達成するなどその実力を十分に発揮。12勝4敗、勝率.750、172奪三振、防御率2.04の成績を残し、最高勝率と最多奪三振を受賞した。同年から3年連続2桁勝利をマーク。2014年には史上最速で通算2000奪三振に到達した。 しかし、その後はけがに泣かされ、2015年を最後に一軍登板なし。復帰を目指して懸命なリハビリを続けたが、2018年限りで現役引退を決断した。