久保建英も続く? レアルに買い戻された選手(2)構想外→最強スター軍団の一員に! 世界屈指の番人
レアル・ソシエダで活躍するサッカー日本代表MF久保建英が、今夏に古巣レアル・マドリードに復帰するかは注目ポイントの1つだ。実現するかはさておき、過去に買い戻された選手が多くいたのは事実である。今回は、1度はレアル・マドリードから移籍したものの、ブレイクを果たしてレアル・マドリードに「買い戻された」選手を紹介する。(スタッツはデータサイト『transfermarkt』を参照)
MFカゼミロ(マンチェスター・ユナイテッド/ブラジル代表) 生年月日:1992年2月23日(32歳) レアル・マドリード通算成績:336試合31得点29アシスト レアル・マドリードの中盤に君臨し、世界屈指のアンカーとして名声を高めたMFカゼミロもまた、エル・ブランコによる「買い戻し」を経験している。 サンパウロの下部組織で育ったカゼミロは、2010年に同クラブのトップチームに昇格すると、2013年にレアル・マドリード・カステージャ(リザーブチーム)へレンタル移籍。その夏に600万ユーロ(約8.4億円)で、レアル・マドリードのトップチームへの完全移籍に切り替わった。 しかし、当時トップチームを率いていたカルロ・アンチェロッティ監督の下で、カゼミロは構想外に。チームにはMFシャビ・アロンソ、ルカ・モドリッチ、サミ・ケディラ、アシエル・イジャラメンディが在籍しており、新たに加わった若者がこの厚い壁を乗り越えることは難しい。2014年夏、ポルトガルの名門ポルトへ買取オプション付きのレンタル移籍に踏み切った。 ポルトで迎えた14/15シーズン、カゼミロは大きく飛躍を遂げる。公式戦41試合に出場し、自身の能力を存分に発揮。既にレアル・マドリード、ブラジル代表の両方で絶対的な地位を確立していた2019年には、「フレン・ロペテギ監督が僕に電話をかけて説得してくれた。ポルトへ行ったことは僕の人生で最高の決断だ。ロペテギ監督は僕をたくさん助けてくれたし、僕は良い試合をした」「マドリードに戻ったとき、僕は既に(ポルトで)チャンピオンズリーグで経験を積んでいた。僕は変わってたんだ」(『ONE FOOTBALL』)とポルトガルでの充実した時間を回想している。ここで得た経験がその後のキャリアに大きく役立ったようだ。 そんなポルトガルでの活躍を、レンタル元のレアル・マドリードが見逃すわけはない。2015年5月、ポルト側が1500万ユーロ(約21億円)でカゼミロを買い取る意思を示したが、レアル・マドリードがその1週間後に買い戻しオプションを行使したことで、同選手のマドリード復帰が確定している。 その後のカゼミロについては言うまでもないだろう。トニ・クロース、ルカ・モドリッチと黄金の中盤を形成し、クリスティアーノ・ロナウドやカリム・ベンゼマなどを擁したスター軍団の中で異彩を放った。半ば「構想外」状態から絶対的なアンカーへと成長させることに成功したこの選択は、ラファエル・ベニテス監督体制下で最高の「買い戻し移籍」ともされている。
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