高岡発コーヒー、来年米デビュー ティーバッグ式で手軽に本格的
●富山新聞文化センター講師・カフェくらうんの小島店主開発 ●能登地震復興フェアで販売 高岡市古定塚の自家焙煎(ばいせん)コーヒー専門店「カフェくらうん」が開発した「ディップ式コーヒーバッグ」が来年1月、米国で開催される能登半島地震復興フェアで販売されることが決まった。紅茶のティーバッグと同じ原理で本格的なコーヒーを楽しめる。店主で富山新聞文化センター高岡本部のコーヒー教室講師の小島治さん(70)は「海外にメイドイン高岡の良さを知ってほしい」と意気込んでいる。 フェアは米国でスーパーマーケット8店舗を展開する「フジマートコーポレーション」と中小企業基盤整備機構(中小機構)の連携事業で、米国のスーパーで北陸三県の食品を2週間販売する。 小島さんは「多民族国家の米国では、器を選ばず、いろいろな好みに合わせられるコーヒーバッグが受け入れられやすいのではないか」と話す。 カフェくらうんは1958(昭和33)年に創業した。小島さんは「焙煎士」の資格を持ち、新型コロナウイルスの感染拡大で苦労する中、巣ごもり需要に対応した商品の開発に取り組んできた。 従来のドリップ式のコーヒーバッグは、使えるカップが限定され、湯を注ぐときに粉があふれることもあったため、器を選ばず準備や後片付けが簡単な商品の開発を始めた。約3年の試行錯誤を経て、昨年11月末に完成した。 ティーバッグ式は苦みが出にくく、浸す時間を調整することで、自分好みの濃さにできる。水とともに耐熱カップに入れ、電子レンジで加熱して抽出することも可能で、手軽に本格的なコーヒーを味わえるという。 ●FDA認証も取得 フェアに向け、小島さんは米国で食品などを輸出販売する際に必要なFDA(アメリカ食品医薬品局)認証を取得し、コーヒーバッグ540個を納品した。小島さんは「新しいコーヒーの楽しみ方を知ってもらいたい」と期待を込めた。