日頃から節約し、固定費も見直し済みです。だけど物価そのものが上がっているため節約できたのか不明です。本当に節約できているのでしょうか。
家計の見直しにおける2つの視点
継続的な効果を見込める「家計改善」を実現するためには、以下の2つの視点で考えてみることをおすすめします。 ◆月単位での短期的な視点 給与など入ってくるお金に対して、住まい関連費や水道光熱費、通信費、保険料等の「固定費」と食費や日用品等の「変動費」など出ていくお金を把握することで月単位での収支が見えてきます。支出項目ごとに予算を決めると使い過ぎや余裕の有無を把握しやすくなります。 その世帯にとって、いくら残ればよいのか(貯蓄もしくは投資に回せるのか)を具体的な金額で考え、実現を目指します。このとき、支出に目が行きがちですが、可能であれば、収入を増やすことも検討してみましょう。 ◆将来を見据えた長期的な視点 家計の見直しにあたっては、将来を見据えた長期的な視点も重要です。子育て世代においては、教育費と住宅ローン負担に加えて食費が膨れ上がり、家計を圧迫するケースも多く見られ、貯蓄にまわす余裕がないのが現実かもしれません。長い人生のなかでは、貯められる時期と貯められない時期があります。 だからこその長期的視野なのです。○年後の大学入学資金、○年後の老後資金など将来のためのお金として目的を明確にしたうえで、必要となる目標額を設定し、ゴールまでの期間で実現できるよう計画を考えたいものです。
まとめ
日頃から節約を心がけていても、物価高騰の影響もあり、思ったほど効果が実感できないという声が多いのが現状のようです。無理のない範囲で工夫しながら無駄を省くことは大切ですが、月単位での収支の把握とともに長期的視野で家計を考えたいものです。 自分自身のライフスタイルをふまえたうえで、家計の見直しを行うことで、社会情勢や経済環境による物価高騰の影響に振り回されない、将来的に安定した生活の実現をめざしましょう。 やみくもな「節約」は、精神的に追いつめられ、悪循環にもなり得ます。自分にとって、何を目的として、どのくらいの支出削減が適切なのか、具体的数字で目標を設定すると、充実感とともに効果が実感できるでしょう。 執筆者:大竹麻佐子 CFP(R)認定者・相続診断士
ファイナンシャルフィールド編集部