蛍光灯の2027年問題が顕在化…交換費用がネックのケースも 福井、駆け込み需要に懸念
蛍光灯の生産と輸出入が2027年末で禁止される「蛍光灯の2027年問題」が顕在化してきた。発光ダイオード(LED)照明への移行が急がれるが、照明器具が多い工場などでは交換費用がネックとなっているケースもある。28年以降も蛍光灯の在庫販売は続くが、器具交換の“駆け込み需要”が起きると業者が対応しきれないことも想定され、業界団体は「計画的な交換を」と呼びかけている。 蛍光灯は国内では1940年ごろ実用化された。ただ内部に水銀が使われており、水俣病の原因となった水銀を包括的に規制する「水銀に関する水俣条約」で段階的な製造縮小が進められ、昨年11月に全面禁止が決まった。 蛍光灯からLEDへの交換はこの10年ほどで進み、日本照明工業会の推計では今年6月時点で既設照明の6割、新設照明はほぼ全てがLEDになっているとみている。 電気設備工事業者でつくる福井県電業協会の伊藤仁一郎会長は、県内での照明のLED化について「加速度的ではなく、粛々と進んでいる感じだ」と印象を語る。「生産活動に直結しない設備投資は後回しになりがちだ」とも話す。 福井市内の繊維業者は「製品の品質に関わる工場は明るいLEDに交換したが、事務所は蛍光灯のまま」という。