逆転無罪判決に男児両親「到底納得できない」、母親も両足失う…検察に上告求める
福島県会津若松市の猪苗代湖で2020年、親子ら3人が死傷したモーターボートの事故で、業務上過失致死傷罪に問われた同県いわき市、元会社役員の被告(47)の控訴審判決で、仙台高裁は16日、禁錮2年とした1審・福島地裁判決を破棄し、無罪を言い渡した。 【写真】事故直後の現場の様子
主文が後回しとなり、1時間余りの理由読み上げの後で無罪判決を聞いた男児の両親は大きなため息をつき、退廷した。
両足を失う大けがを負った母親は2022年12月の福島地裁の公判に参加し、発生直後の様子について、「最後に(男児を)抱きしめてあげたいと思い、近づこうとしたが体が動かなかった」と語っていた。
先月8日の高裁公判では、代理人弁護士が「被告は反省しているとは思えず、誠意があるといえるような行動や言動は一切取っていない」などとする意見陳述書を読み上げ、1審判決の維持を主張していた。
閉廷後、弁護士を通じて両親は「到底納得できるものではない。生命を奪われて一生背負う重大な傷害を負わされたのに無罪とは、この国の司法制度が本当に機能しているのかもう一度問いたい」と検察側に上告を求めた。