最高のラスト…一方で、続編を期待せずにはいられないワケ。インパクト強すぎの新キャラも?『全領域異常解決室』最終話考察
藤原竜也主演のドラマ『全領域異常解決室』が18日、完結を迎えた。身近な現代事件×最先端の科学捜査では解明できない“不可解な異常事件”を「全領域異常解決室」という捜査機関が解決する本格ミステリードラマだ。今回は、最終話のレビューをお届け。(文・ふくだりょうこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】意味深な表情は続編への伏線…? 貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『全領域異常解決室』劇中カット一覧
黒幕は、直毘吉道(柿澤勇人)
最後まで情報量が多いドラマだった。最高だった。 結論から言うと、ヒルコが黒幕ではなかった。黒幕はヒルコを騙っていた人物。 ヒルコを騙っていたのは直毘吉道(柿澤勇人)。彼は神ではない。役小角(えんのおづぬ)という、飛鳥時代に厳しい修行の果てに神通力を習得した「人間」だ。人間なので、寿命があるはずだが、人魚の肉を食べて不老不死を得ていた。 そんな役小角がどうしてヒルコを騙り、全ての神を排除しようとしたのか。それは寿命が近づいていることを察し、察したことで人間をこのままにしておけないと思い、行動に出たというわけだ。 人間とは言え、神通力を持ち、こんなにも長く生きているのだったらもはや神に近い存在なのかもしれない。人間が愚かなのは神のせい。ならば、神を入れ替える――。 大きなポイントは雨野小夢(広瀬アリス)に事戸を渡し、神としての命を絶ったのは誰だったのか、という問題。実はこれは、小夢自身の行動だった。 おそらく、小夢は興玉(藤原竜也)が天石戸別神だということを知っていた。それを直毘に知られるわけにはいかない。しかし、自分が体を乗っ取られたら、知られてしまう。だから、自身の記憶を奪うことでそれを防いだのだ。 興玉を守るために、なんという愛だろう。というか、カッコよすぎる、室長。同時に長く連れ添ってきた芹田(迫田孝也)のことを思うと胸が痛い。 月読命・佃未世(石田ひかり)が自らに事戸を渡したことが、伏線になっていたのだと分かる。
演劇界の至宝、 藤原竜也と柿澤勇人の直接対決に大興奮
ヒルコの正体が分かったならば、制圧するのみ。直毘と興玉の直接対決だ。 事務所の先輩と後輩で、演劇界の至宝とも言える藤原竜也と柿澤勇人のこんなガチの対決が地上波で観られるなんて思いもしなかった。まとう迫力が半端じゃない。 そして興玉劣勢のシーンで現れたのが荒波(ユースケ・サンタマリア)だ。全決がどういう組織かは知っている荒波だったが、直毘の正体は知らない。 それでも、手を貸した相手は興玉だった。神様なんて信じない。でも大石が神様だって言うなら信じてもいい。 こっちはこっちでビッグラブ……! さすがに荒波と興玉に抑え込まれては手も足も出ない。 直毘が捕まれば、一件落着となるだろう。しかし、「ヒルコ」によって多くの人が死に、小夢は神ではなくなった。そして人間である以上、小夢の神に関する記憶を消さなければならない。事戸を渡すのは、興玉だ。 興玉が小夢の頭に手をのせる。しかし、「事戸を渡す」と言う前に、少しだけ人差し指を浮かせた。 そのあと、街の中でふたりがすれ違うシーン。あの何かを含んだような表情は、絶対に記憶を消していないと思うのだけれど、どうだろうか。