人事として働いている友人が「若手の早期退職」を嘆いていました。「給料が原因かなあ」と言っていたのですが、実際のところどのような退職理由が多いのでしょうか?
若手といわれる新卒社員の早期退職が問題となっています。なぜ若手はすぐに辞めてしまうのでしょうか。退職理由など、調査データをもとに解説します。また、離職を防ぐための具体的な施策も考察するので、ぜひ参考にしてみてください。 ▼早めに転職が決まったら「受給できる手当」を確認しよう!
若手社員が早期退職をする割合
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」によると、新規学卒者が就職後3年以内に離職した割合は、高校が38.4%、短大卒が44.6%、大学が34.9%という結果でした。3割以上が3年以内に離職しています。 離職率の産業を産業別に見てみると、高校と大学では「宿泊業、飲食サービス業」が最も高く、6割近くが辞めています。その他は「生活関連サービス業、娯楽業」「教育、学習支援業」「小売業」「医療、福祉」などが多いようです。
若手社員の退職理由
せっかく入社した会社であっても、入社後に仕事の内容や待遇、人間関係などさまざまな要因により早期退職を選択しています。 独立行政法人の労働政策研究・研修機構が調査した「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ」で、「初めての正社員勤務先を離職した理由」のアンケートで2割以上が挙げたのは「肉体的・精神的に健康を損ねた」「賃金の条件が良くなかった」「労働時間・休日・休暇の条件が良くなかった」でした。 主な原因は、入社前と入社後のミスマッチが原因であるといえます。一方、「希望する条件により合った仕事が他に見つかった」「キャリアアップするため」といった前向きな考えから転職をする若手社員も多いようです。
若手社員の給与が原因で退職する?
新入社員が会社で働き始めてから給料に対する現実と期待の差で不満を抱えるケースが多く、退職を検討するきっかけになるともいわれています。 「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ」の調査結果でも、入社1年未満の男性は「賃金の条件が良くなかったため」と回答した人は22.6%でしたが、1年超3年以内で28.5%、3年超5年未満で31.2%、5年超で32.4%へと増加しています。 実際に離職した人と勤続している人の給与比較を、表1にまとめました。 表1