阪神・森下翔太が地元・横浜で躍動!昨季の悔しさを力に変えて同点呼ぶ二塁打
(セ・リーグ、DeNA1ー1阪神=延長十二回規定により引き分け、4回戦、DeNA2勝1敗1分、23日、横浜)冷たい雨を切り裂くように、鋭い打球が左翼線を破った。阪神・森下翔太外野手(23)が同点につながる二塁打を放ち、またも虎を敗戦から救った。 「インコースが、自分は攻められやすいので、多少頭に入れながら。でも投げきれていなかったので、引かずに踏み込んでいこうと思っていた」 0―1の六回。1死一塁で第3打席に立った。DeNAの先発・ジャクソンに2球で追い込まれて執拗(しつよう)な内角攻めにあうも、6球目に甘く入ったチェンジアップを仕留めた。「前の打席でチェンジアップのタイミングを取るのが難しかった。そこを1回頭に入れられたので、次の打席に生かせた」。打球が左翼線を抜く間にスタートを切っていた一塁走者の中野は三塁へ。さらに左翼手の返球が悪送球となる間に中野が生還して同点となった。 森下はこれが横浜スタジアム12試合目で初めての長打。自己最長タイとなる7試合連続安打も記録し、「しっくり来なかったときでも、動画を見たり修正しながらやっていたので、そこが結果的にヒットにつながっている」とうなずいた。 地元の横浜で、昨季は打率・158(38打数6安打)と苦しんだ。9月29日には無死満塁で三振を喫し、人目をはばからずベンチで涙を流したこともあった。だからこそ、進化した姿を見せると意気込んでいた。この日は1打席目の中前打とあわせてマルチ安打。悔しさを晴らすために積み重ねてきた取り組みは、噓をつかなかった。 「ずっとオフシーズンやってきたことがいい形になって出てきてくれている。あとはもうチームが勝てば最高だと思うので、それに引っ張れるように頑張りたい」 努力と実力で〝鬼門〟を克服した。それでも森下は、勝利に貢献するまで満足しない。(中屋友那)