「ここから全盛期」巨人の34歳ベテランが7打席連続安打 左膝じん帯損傷のリハビリを乗り越えられた先輩の存在
◆日本生命セ・パ交流戦 巨人18―2ロッテ(4日・東京ドーム) 想像よりも、はるかに上を行く「おかえり」だった。プロ初サヨナラ本塁打を記録した22年4月9日のヤクルト戦以来となる東京Dでのお立ち台。G党の大歓声を浴びた立岡は「常日頃、いいイメージをしようとはしているんですけど、ここまでのイメージはできていなかったので。本当に自分でもビックリです」と夢のような光景を焼き付けた。 【動画】セ最多タイ1イニング12安打!12本目の安打は立岡 1点リードの初回2死一、三塁、小島の145キロ直球を中前へはじき返す適時打を放った。「1打席目にヒットが出て、あとの打席は楽にいけました」と振り返ったように波に乗った。3回無死満塁の第2打席で再び中前へ適時打を放つと、この回2度目の打席となった1死満塁では左前へ流す2点タイムリー。「もう必死でした」と3打席連続適時打となった。さらに6回先頭では、15年5月30日の楽天戦(コボスタ)以来、9年ぶり自身2度目となる4安打目をマーク。2日の西武戦(ベルーナD)から合わせて7打席連続ヒットとなり「できすぎです。怖いです」と恐縮した。 22年6月9日の西武戦(ベルーナD)で左膝前十字じん帯を損傷。「あれ以上、苦しいことはないなと。みんなが野球をやっている中で、歩く練習からしていたので」。リハビリを乗り越えて1年1か月後に実戦復帰した後も、日により左膝の状態は変化。「本当に1軍の舞台に戻れるのかな」と何度も心が折れかけた。 そんな時に奮い立たせてくれたのは同じ左膝のけがから復活した梶谷の存在だ。開幕戦で2ランに、ダイビングキャッチに攻守で躍動した先輩の姿に、テレビの前で叫んだ。「リハビリ中もよく声を掛けてくれましたし、プライベートでもお世話になっている先輩。梶谷さんの姿を見て、やっぱり自分もあそこで勝負したいと思いました」。ファームで結果を残し、5月21日に支配下復帰を勝ち取った。そしてこの日、先輩と同じように東京Dで喝采を浴びた。 4安打4打点の活躍に、阿部監督も「いやらしさは持っているんで、あそこ(6番)に入れていますし。結果で応えてくれているんで、素晴らしいなと思います」と、たたえた。「ここから全盛期だと思って、チームの力になれるように頑張ります」という34歳が、阿部巨人のキーマンになっている。(井上 信太郎)
報知新聞社