どうすんのこれ…亡夫が母親から相続した土地は原野商法で購入した那須の山林60坪…残された63歳女性が〈昭和の負の遺産〉を前に呆然としたワケ【相続の専門家が解説】
国庫帰属制度でも救済されない土地が多い
土地神話があった昭和40年~60年ころの日本は成長期でしたので、とにかく土地が財産で、値上がりするという期待値がありました。日本中で、原野を切り売りして売り、それを買う人がいた時代でした。そうした昭和の産物という原野商法で買われた土地は利用することもなく、利用できない土地もあり、もう売却もできない実態が多くあります。 事例の青子さん、英樹さんは不要な土地で、雄平さんも役割を終えた土地ですので、処分が妥当。けれども道路がないなどの状況で売れない土地もあります。この場合、国庫帰属制度では申請できない土地となり、可能性はありません。隣接地に買ってもらう、贈与する、一緒に処分するなど、できる方法で処分して、次世代に負担がかからないようにすることが望ましいと言えます。 <参照> (※) 相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件 法務省 曽根 惠子 株式会社夢相続代表取締役 公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士 ◆相続対策専門士とは?◆ 公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp)認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。 「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。
曽根 惠子