【速報】「問題なしね」「はい、問題なしです」滑走路進入直前の海保機のやりとり判明…管制官と“進入許可”の交信無し 運輸安全委員会が経過報告書公表【日航機・海保機衝突事故】
羽田空港で2024年1月、日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、海保機が滑走路に進入する直前に「問題なし」という機長らのやりとりがレコーダーに残されており、誤りに気付かないまま進入したとみられることが新たにわかりました。 【独自】JAL機“炎上”で緊迫の現場 消火用の水が“残量低下”の異例事態も…“水中ポンプ”「スーパーポンパー」で海水を放水 羽田空港では、2024年1月2日、日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機が滑走路上で衝突し、海保機の乗員5人が死亡し、機長が重傷を負いました。 事故を調査する国の運輸安全委員会が25日に公表した経過報告書によりますと、海保機のボイスレコーダーには、滑走路へ入る直前、機長と副操縦士との間で「問題なしね」「はい、問題なしです」というやりとりや、機長による離陸前の点検指示などが記録されていましたが、管制官との間に滑走路の進入許可に関する交信はありませんでした。 出発の順番を示す「ナンバーワン」という指示について、機長は「滑走路に入って待機してください。離陸順位は1番と言われた」という認識だったということです。機長は「飛行目的が震災支援物資輸送と伝えてあったため、離陸の順位を優先してくれたのだと思った」とも話していて、指示内容を誤認していた可能性があることもわかりました。 このほか、事故の1分ほど前には、機外の通信員と乗員の間で「小松(空港)での電源車の借用の調整はつきそうにありません」などのやりとりも交わされていて、事故の瞬間まで被災地での任務を全うしようとしていた様子がうかがえます。 一方、航空管制を巡っては、滑走路に誤進入があった際に、管制官に注意喚起するシステムが、海保機が滑走路に進入した7秒後から事故が起きた1秒後までの1分8秒間で作動していましたが、管制官は気づかず、滑走路上の海保機を見逃していました。 また日航機についても、海保機を衝突寸前まで認識していなかったことが分かりました。当時、日没後で月も出ていない状況だったことや、海保機と滑走路の灯りがともに白色だったことで、認識出来なかった可能性もあります。 運輸安全委員会は、こうした複合的な要因が重なり事故が起きたとみて調査を続け、今後、最終報告書をまとめる方針です。
社会部