離れて暮らす親を見守りたい! プライバシーに配慮した「スマートホーム機器」導入のススメ
別売の人感センサーや見守りカメラなどとも連携できるスマートリモコン
SwitchBot「SwitchBot ハブ2」(実売価格8980円) 温度・湿度・照度センサーを内蔵するスマートリモコンです。SwitchBotはスマートリモコンのほか、人感センサー、見守りカメラ、スマートカーテン、スマートロックなどさまざまな機器をラインアップしており、それらの機器を1つのスマホアプリで操作・管理できるのが魅力です。 別売の人感センサー「SwitchBot 人感センサー」(実売価格2780円)は単体でWi-Fiに接続することはできませんが、SwitchBot ハブ2と連携することで、人の動きと室内環境を同時に見守れるようになります。
転倒を検知するとお知らせしてくれるミリ波レーダーセンサーも
Aqara「人感センサー FP2」(実売価格1万2980円) ゆるい見守りだけでなく、さらに高度な見守りができる人感センサーも紹介しましょう。Aqara(アカラ)の「人感センサー FP2」は、ミリ波レーダーセンサーによって最大5人までの多人数検知に加えて転倒検知も可能な人感センサーです。天井に取り付けて「転倒検知」モードを選択することで、転倒を検知するとスマホアプリにお知らせすることができます。 親が元気なうちはそこまで高度な見守りは不要かもしれませんが、足腰が弱ってきた場合はこのような機器を導入して、より高度に見守りを行うことがおすすめです。
スマートディスプレイで「見守り」と「コミュニケーション」を両立
本連載の第2回テーマ「子どもを見守りたい」でも紹介しましたが、映像と音声も含めてしっかりと見守りたいのであれば、音声アシスタントを内蔵するスマートスピーカーにディスプレイを搭載した「スマートディスプレイ」がおすすめです。スマートディスプレイはスマートスピーカーと同様、「アレクサ」や「OK、Google」といったウェイクワード(音声アシスタントを呼び出す言葉)の後に「ニュース」「天気予報」「今日は何の日?」などと呼びかけるだけで、さまざまな情報をお知らせしてくれます。さらに「アラームを○時にかけて」とか、「タイマーを3分でかけて」といった使い方や、計算をしてもらうといった使い方もできます。 このように便利な使い方ができたり、ちょっとした話し相手になったりするだけでなく、離れて暮らす家族同士でのビデオ通話もできます。セキュリティカメラとしても使えるので、人感センサーやスマートリモコンでゆるく見守る“次の一手”としてはスマートディスプレイがおすすめというわけです。 セキュリティカメラとの大きな違いは、その“主目的”にあります。セキュリティカメラは窓や無施錠のドアなどから侵入した人を撮影して記録するほか、部屋の中にいる人やペットなどの動きを記録するといった用途がメインです。マイクとスピーカーを内蔵することで呼びかけや音声通話ができるものもありますが、双方向のビデオ通話はできません。宅内にいる人にとっては「監視カメラ」と感じてしまう場合が多いので、よほど緊急事態でもない限り、実家といえど設置するのはおすすめできません。 一方のスマートディスプレイは、スマートスピーカーのように情報を音声でお知らせしたり、ディスプレイに情報を表示したりするほか、スマートホーム機器を管理・操作したりするのがメイン。ビデオ通話機能やセキュリティカメラ機能はサブ機能という位置付けです。 スマートディスプレイの多くは物理的にカメラをふさいでプライバシーを保護する機能を備えていることもあり、監視カメラとしての忌避感はそれほど持たれないのではないかと思います。 普段はカメラをオフにしておき、呼びかけがあった場合や自分からビデオ通話を発信した場合にカメラをオンにするといった使い方も可能。体調が悪化した場合など、継続的に様子を見守りたいことになったら、応答を待たずにセキュリティカメラとして使えるようにする設定もできます。 1.スマートディスプレイの使い勝手を覚えてもらう 2.ビデオ通話を使って孫とのコミュニケーションを楽しんでもらう 3.セキュリティカメラとして使えるように設定し、いつでも映像で見守れるようにする といったように、段階を踏んで使い方を変えていくことが可能なのです。親と子の関係性や物理的な距離、親の体調やライフステージに応じて、ぜひ見守りに役立ててみてください。
安蔵 靖志