ECBはディスインフレプロセスの不安定を無視できる-仏中銀総裁
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏のインフレ統計の単発的な変動を無視できると、政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁が述べた。
ビルロワドガロー氏は28日パリで講演し、「データは本質的に雑音が多く、特に今から年末までは不安定なニュースに過剰反応するリスクがある。従って、現在のインフレ環境で『データ主導』は『速報主導』を意味しない」と語った。
6月のユーロ圏インフレ率が発表される数日前に発言した。ユーロ圏インフレは5月に加速した後、6月は若干鈍化する見込み。28日に発表されたフランスの6月インフレ率は2.5%に低下した。
フランスのインフレ率、6月は2.5%に低下-5月は2.6%
ビルロワドガロー氏はフランスのインフレ率は勇気付けられるニュースだと強調。「ディスインフレは進んでいる」と述べた。
ECBがインフレを抑えるために積極的な利上げを余儀なくされた2022年に比べると、統計値の予想外の動きを当局者が心配する理由は小さくなったとも述べた。
「2年前と比べると、データのサプライズは小さくなり、現状判断への修正もより小さくなっている。予測への自信が深まり、ディスインフレプロセスでの小さな変動を無視する余地が大きくなった」と語った。
ECBは6月に中銀預金金利を過去最高水準から引き下げたが、次の行動の時期について明確な指針を示すことには消極的だ。市場では今年中にもう2回の利下げが行われると予想されているが、7月利下げの可能性は極めて低そうだ。
ビルロワドガロー氏は金利の方向性には言及しなかった。
原題:ECB Can Disregard Bumps in Disinflation, Villeroy Says (1)(抜粋)
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William Horobin