次期戦闘機の第三国輸出、自公が容認で合意-協定締結国に限定
(ブルームバーグ): 自民、公明両党は15日の政調会長会談で、国際共同開発した武器の完成品輸出について英国、イタリアと3カ国で進めている次期戦闘機に絞って輸出を容認することで合意した。
公明党の高木陽介政調会長が会談後、記者団に明らかにした。配布資料によると、輸出先は日本と防衛装備品の移転に関する協定などを締結した国に限り、個別案件ごとに閣議決定する。戦闘が行われている国は対象外とした。
第三国への輸出解禁は次期戦闘機の調達価格の引き下げにつながり、月内にも本格化する開発企業間の協議でも日本側の意見を反映しやすくするのが狙いだ。当初は2月末の合意を目指していたが、公明党が国民の理解を得る必要があるなどとして慎重姿勢をみせ、約2週間ずれ込んだ。輸出対象や輸出先を制限することで、公民党に配慮した形だ。
自民党の渡海紀三朗政調会長は、合意が当初の予定より遅れたことについて「国にとって重要な決定であるため、この程度の時間はかけてよかった」と語った。公明党の高木氏は今回の合意で「説明責任が終わったのではない」と述べ、政府・与党として引き続き国民の理解を得る努力が必要との考えを示した。「さまざまな議論が個別の閣議決定の時に起きると思う」とも指摘した。
次期戦闘機の輸出解禁、与党が2月中の合意を見送り-岸田政権に痛手
昨年12月に署名された「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」に民間からは、三菱重工業と英BAEシステムズ、イタリアのレオナルドが参入している。2025年までの開発段階への到達、35年までの戦闘機の配備開始を目指している。
共同通信社が9、10両日に実施した世論調査で、英伊と共同開発する次期戦闘機の第三国輸出は「同盟国や友好国などに限定して認めるべきだ」が48.1%、「一切認めるべきではない」は44.7%だった。
戦闘機輸出は協定締結国に限定、個別案件ごとに閣議決定-岸田首相
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Momoka Yokoyama