原点は演じることへの“憧れ”と“楽しさ” 南沙良が出演作を重ねて変わったこと、変わらないこと
2025年は「新しいことに挑戦する」1年に
──南さんは今は俳優として活動されていますが、最初に雑誌『ニコラ』のモデルとしての活動を始められてから10年が経っていますよね。これまでにターニングポイント的なものはあったのでしょうか? 最初に出演させていただいた映画が『幼な子われらに生まれ』(2017年/三島有紀子監督作品)という作品だったんですが、それは今でもすごく印象に残っています。初めて「お芝居」というものをした作品だったんですけど、演技ということ自体、どうしたらいか全然わかっていなくて……でも、すごく現場が楽しかったんですよ。あのとき、撮影中に監督にかけていただいた言葉は、今でも大切にしています。 ──その最初の現場での思い出を今でも大切にされているということは、とてもいい出会いだったんでしょうね。 監督の指導はすごく厳しくて、怖かったんですけどね(笑)。でもとても愛がある方で、それがきちんと伝わってきたのが大きかったと思います。 ──もともと、「演じる」ことに関しては興味があったんでしょうか? そうなんです。小さい頃から女優という職業に憧れていて、家族に「いつかやってみたい」ということを言ってみたんです。そしたら叔父が雑誌『ニコラ』のオーディションを見つけてきて、「これを受けてみたら?」って。それがこの世界に入ったきっかけでした。 ──最初の作品で感じた「演じることが楽しい」は、今でも継続していますか? はい! 以前とは「演じること」への向き合い方が少し変わってきたような気もしますが、でも楽しいのは変わらないです。前は純粋に演じることが楽しい、面白いという思いで作品に参加していたんですが、経験を重ねるごとに一つ一つの作品の重みをより感じるようになったような気がします。 ──難しい作品や役だったり、そういうハードルを乗り越える大変さはありますか? ……どうだろう? 私、あまり「大変」と思ったことがないような気がします。というか多分、感じていても忘れちゃったんでしょうね(笑)。その時は大変でも、1日寝たら忘れちゃうタイプなので。 ──でも、物理的にハードスケジュールで大変! というときもありますよね? あります。私、犬を2匹飼っているんですけど、そういうときは犬に癒やされます(笑)。 ──以前、文芸誌『yom yom』にエッセイ「届かない手紙を書きたい」を連載されていましたよね。あの中に書かれていた「言葉に縛られたくない」という一文が印象的だったのですが、その思いは今でも変わらないですか? どうだろう……? でも、喋るのは今でも下手くそというか、苦手なんですよね。でもあの頃に比べると少しは大人になったので、「言葉にして人に伝える」ということをもう少しやらないとな、と思ってはいるところです。 ──今でも文章は書かれているんですか? 時々ですけど、書いてますね。お仕事で書かなくてはいけなくて、というものが多いですけど(笑)。でも、文章を書くこと自体は好きです。 ──先ほどのエッセイを連載開始されたころは、当時17歳ですよね。それであの表現はすごいなと思いましたし、南さんの“今”の文章ももっと読みたいなと思いました。 ありがとうございます! 本当ですか?(笑) ──本当です! あと先ほど、自宅ではマンガやアニメを観ていることが多いとのことでしたが、最近面白かった作品はありましたか? なんだろう……あ、『ONE PIECE FAN LETTER』(注:『ONE PIECE』25周年記念作品)観ました! めちゃくちゃ良かったです。『ONE PIECE』大好きなんですよ、週刊少年ジャンプの連載で毎週欠かさず追ってます。 ──年末に参加作品の公開が相次いだ2024年でしたが、2025年はどんな年にしたいですか? ……毎年言ってるんですけど、仕事でもプライベートでも「新しいことに挑戦する」年にしたいです。仕事だったら、例えばアクションものとか、今までやったことのない役や作品に挑戦したいですね。体動かすの、意外と好きなんですよ。プライベートは、運転免許を取りたいです……って言い続けてもう4年になるんですけど(笑)。2025年こそ! と思ってます。 取材・文/川口有紀 編集/小島靖彦(Bezzy)