プロも絶賛、松居一代の動画 芸能人の情報発信がネットに集中するワケとは?
記者会見を避けて自身のニュースを金にする芸能人たち
「ブログで大きな発表をした場合は投稿へのアクセス数がアップするので、結果的にその芸能人や所属事務所が管理するブログ収入もアップします。また、記者会見に比べると情報量が少なく、話題性や注目度が持続するので、次の仕事に活かせるというメリットもある。FAX、ホームページやブログなどのSNSで大まかな内容を発表した後、ゲストとして呼ばれた商品のPRイベントの場などで、あらためてメディア対応するというケースです。この場合、多くのメディアを集められるという商品価値が評価されて通常よりも高いギャラを得ることができるというわけです」 そして、その最たるパターンとして最近増えているのが、テレビ番組の中での発表だという。 「どちらかと言うと結婚や妊娠など明るいニュースに多いのですが、レギュラー番組やゲストとして出演する人気番組の中で発表したり、詳細を明かすというパターンです。この場合、出演料を得るのと同時に番組の視聴率にも貢献したということで、テレビ局に貸しを作ることもでき、次の仕事にも繋がる。発表の場となる番組のスタッフや共演者は総じて“味方”なので、変なイジられ方もされませんからね」(三杉氏) これらのケースは、いずれも率直に言えば自身のニュースを分かりやすい形で金に換えているわけだが、こうした流れの背景を前出の芸能プロマネジャーはこうボヤく。 「率直に言えば、この業界が不景気だからです。テレビ番組の制作費が削られている中、出演料も落ちているし、CMギャラも下降傾向にある。音楽配信に比べて実入りのあるCDも売れないし、一部の超大物アーティストを除けばコンサートの動員も落ちている。邦画もお世辞にも好調とは言えません。少しでもお金にしないとやっていられないんですよ」 そのうえで、今回の松居の動画に関してこう感想を明かす。 「テレビ番組内での発表の唯一のデメリットは他局との兼ね合いです。例えば、複数の番組にレギュラーとしてお世話になっている場合、ある1つの番組で重大な発表をしたら、他のレギュラー番組のスタッフは『なんでウチでやってくれないんだ!』と思うでしょう。味方も作るが敵も作るという意味ではリスクもあるんですが、YouTubeをはじめとした動画配信サービスでの発表なら、そういった業界のしがらみからは解放されます。それに、テレビ番組以上にこちらの意に沿った編集もできますし、収入が直結するという点も魅力です」(同マネジャー) 昨今では吉本興業をはじめ、大手芸能事務所がユーチューバーの育成に力を入れる動きを見せたり、ライブ動画配信サービス「SHOWROOM」を使ってファンと交流を持つアイドルも増えているが、芸能人がネットの動画で自らニュースを発信する流れは今後も加速しそうだ。 (文責/JAPAN芸能カルチャー研究所)