夫婦で年金月額「18万円」だった場合、定年後は月いくら稼げばいいですか?
老後の生活資金をどう確保していくかは、多くの夫婦にとって課題となっていることでしょう。「年金だけでは生活できない」と焦っているという夫婦もいらっしゃるはずです。そこで、夫婦で1ヶ月当たり18万円の年金を受け取る世帯を例に、定年後にはいくら稼げば生活できるのか、考えてみます。
夫婦の生活費はどれくらいかかるのか
最初に、一般的な年金暮らしの夫婦の生活には、どれくらいの生活費がかかっているのか、確認してみましょう。総務省統計局の「家計調査年報」によると、2022年における1ヶ月当たりの平均的な支出は、26万8508円となっています。 ただし、最低限の生活費で考えると、支出はもう少し小さくなるかもしれません。公益財団法人生命保険文化センターが行った調査によると、老後に夫婦2人で生活するために最低限必要な生活費については、1ヶ月当たり20万円から25万円と答えた方が最多であり、回答者全体の27.5%に当たります。なお、平均値は23.2万円でした。 ここから、年金を含めて最低でも23万円程度、できれば27万円程度は、生活費として確保できるようにしておくべきだ、ということが分かります。 なお、同センターの調査には「わからない」との回答が全体の22.5%あります。「最低限の生活費」といっても必要な額は夫婦によってさまざまであり、なかなか一概にはいえない部分が多いことが分かります。
ゆとりある生活を送る場合は、さらにお金が必要になる
先に見たとおり、23万円から27万円程度のお金があれば老後生活ができるか、といえば、そうとはいいきれない部分もあります。先に見たものは、あくまでも最低限の生活費や、統計上一般的な生活費です。 人によっては老後、趣味を楽しんだりさらに知見を広げていったりしたい、と考えている方もいるでしょう。そういった場合には、先の金額では足りない可能性が高いです。 同じく、公益財団法人生命保険文化センターによれば、「ゆとりある老後生活費」として必要な金額は、平均37.9万円となっています。具体的な金額での回答は、1ヶ月当たり30万円から35万円未満と答えた層が最も多く、全体の20.5%でした。 ここから考えると、老後に趣味を楽しむなど余裕のある生活を望むのであれば、毎月の生活費は30万円程度を見込んでおいた方がよさそうです。 ただし、次いで多かったのは、50万円以上という回答で、全体の18%ありました。また、最も多かったのは「(金額が)わからない」という回答で、全体の22.5%となっています。 そのため、ゆとりある生活を送りたいのであれば、どのくらいの金額が必要になるか、個別の試算が必要です。