誤審問題で球界大御所が激怒!なぜ審判に処分がないのか?
過去、認められた誤審においては、必ず審判員に処分が下されていた。 2009年5月の日ハム対オリックスでは、一塁塁審を務めていた山本隆造氏が、スコアボールにフルカウントと誤表示されていたボールカウントを信じて、確認を求めてきた一塁走者の大村に間違って伝え、盗塁を仕掛けたものの、四球だと思って減速した大村がアウトになった。抗議によっても判定は覆らなかったが、試合後、山本審判は誤審を認め、厳重注意と当日の出場手当て30%減額処分が下され、他の審判にも厳重注意が与えられた。 2010年8月の京セラドームで行われた阪神―ヤクルト戦では、坂井遼太郎氏が、金本の天井を直撃した打球をファウルと判定。京セラドームの特別ルールは、フェアゾーンに跳ね返ってきたボールはインプレーのまま続行することになっているが、誤審した。真弓監督の抗議でも判定は履がえらず、金本が打ち直して本塁打にするという“おまけ”までついたが、翌日、コミッションは誤審と認め、坂井審判に厳重戒告と当該試合の出場手当50%減額の 処分。他の4人の審判員にも注意処分が下されている。 今回はビデオ判定を用いたのに誤審が生まれたという、これまでにないケースではある。ビデオ判定システムに、テレビカメラ映像が複数ないなどの不備もあったため、処分が難しいのかもしれないが、そもそもビデオを使わずとも、広岡氏が指摘するように肉眼での判断でホームランと判定しておかなければならなかったもの。審判員になんらかの処分がなければ、ファンも広島の当事者も納得がいかないだろう。 広島はさらなる抗議は行っていないが、これらの世論にNPBがどう対応するのか。今後のコミッションの判断に注目が集まる。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)