【大学野球】田中将大、松井裕樹、千賀滉大らを指導…法大・高村祐助監督が果たす母校への恩返し
大島監督のサポート役
元猛牛戦士の絆は固い。 2月1日、高村祐氏が法大助監督に就任。8日に報道各社の取材に応じ、抱負を語った。 【選手データ】高村祐 プロフィール・通算成績 「久々にこのグラウンドで、このユニフォームを着ている自分に、まだ違和感があります。徐々に慣れていき日々、大島(公一)監督、学生と一緒に積み上げ、共有しながら、一つの目標に向かって進んでいきたい」 高村氏は宇都宮南高(栃木)の右腕エースとして、2年春(1986年)のセンバツで準優勝。法大では東京六大学リーグ通算16勝をマークした。92年ドラフト1位で近鉄に入団。1年目に13勝を挙げ、新人王を受賞した。2年目以降も先発ローテの一角で活躍。2004年オフの分配ドラフトで楽天に入団し、05年限りで退団した。NPB通算83勝。現役引退後は07~15年まで楽天の投手コーチ、16~23年までソフトバンクの投手コーチを務め、昨季限りで退団した。今年1月29日に日本学生野球協会の学生野球資格回復に関する規則4条による認定者となり、2月1日から法大の指導に当たっている。 「母校で指導できる機会は、なかなかないこと。こうしたチャンスをいただき、ありがたく思っています。プロ野球を経験した人たちが、学生野球の現場で指導するケースが増えていますが、日本学生野球協会とNPB、プロ野球選手会など、多くの関係者のご尽力があって今日がある。こうした道をつくっていただいたことは本当にありがたく、これまでに実績を残されてきた先輩方、そして、これからの人につないでいく意味でも、しっかりと職務を全うしていきたいと思います」 高村助監督にとって、大島監督は法大で2学年先輩で、近鉄でも同じ釜の飯を食べた仲である。今回の就任要請を受けたのも「一緒にいる時間が長かった大島監督がいるのは大きい」と決断した理由の一つ。お世話になった先輩のため、力になりたいと考えている。 NPB17年に及ぶ指導実績、技術を学生野球の現場に落とし込む。大島監督からは投手指導をメーンに託されているが「プロでもそうでしたが、全体を見ないことには始まらない」と、あくまでも指揮官をサポートする助監督として、学生一人ひとりと向き合う。 「フラットに選手を見て、どういう形にして持っていくかを考えていきたいと思います。少なからず、今までの経験値がある。そこを抽出しながら、学生たちに当てはめていきたい。ただ、こちらからは強制しません。実際にやるのは彼ら自身。自分で思考して、作り上げていかないと、人としても伸びないと思います。あくまでも、学生は学業が最優先。コミュニケーションを大事にし、学生からの声、意見も大事にしていきたいと思います」 楽天では田中将大、松井裕樹、ソフトバンクでは千賀滉大らを指導。カテゴリーが異なるとはいえ、高卒選手の扱いには慣れている。距離を縮めていく作業に、時間はかからない。