“Mattママ”桑田真紀「やりとりのペースやスピードがお互い心地よいと感じる人とは「相性」も良い気がします。」
やりとりのペースやスピードがお互い心地よいと感じる人とは「相性」も良い気がします。
夫は野球界のレジェンド・桑田真澄氏、次男は現在アーティストとして多方面で活躍中のMatt Rose氏。専業主婦から一念発起し、彼らを公私ともに支え、現在は化粧品会社も経営する桑田真紀さん。「優れた才能を発掘して応援したい」という根っからの「応援気質」で周囲の人々をサポートする真紀さんの「応援力」は、夫、子供、義理両親など身内だけでなく、上司・部下・同僚やママ友、すべての人間関係の参考になるはず。 【写真6枚】この記事で紹介した、“Mattママ”桑田真紀の今号のキレイの源はこちらからチェック
個が集まれば大きな力に。スタッフを雇うときのコツは?
昨今、いろいろな分野で「フリーランス」や「個人事業主」に転向したり、会社を興したりと、起業する人が増えています。かつて芸能界でお仕事をするには、タレントや俳優は芸能事務所に入っていることが大前提でしたが、ご存じのとおり、今は大スターでさえも個人事務所でのマネジメントに切り替える方も少なくありません。 そう、これからは「個」が協力し、「和」となって輝く時代なんですね。皆さんの中にも独立・起業された方もいらっしゃるかと思います。今回は、経営者のひとりとして普段私が考えていること、実践していることを書いてみようと思います。 私の会社の主な事業内容として、夫とMatt のマネジメントがありますが、もうひとつの柱として、化粧品会社の経営があります。マネジメントの方はもう30年以上になりますが、化粧品事業のほうはまだ数年。構想や準備期間が長く、本格的にビジネスとしての運営が始まったのはここ1年ほどです。 それ以前から、プロデュースという形で他社から化粧品を出させていただいていたことはいくつかあるのですが、自社でやろうと舵を切ったのがここ数年のこと。Bé vie rosée(ベビロゼ)という「まつ毛美容液」と「マスカラ」を主力商品としているブランドです。自社で責任をもって、自信のあるものを提供したいという強い思いがあり、現在さらなる商品を鋭意企画中であるのですが、こうやって会社が多角化していったり、拡大・成長していったりするときに避けて通れないのが「人材の確保」です。スタッフを採用することって本当に難しい。つくづくそう思います。幸いにも素晴らしいスタッフたちに恵まれていますが、人を雇うということは、彼らの人生を背負うことでもあるので、言わずもがなではありますが、こちらも責任重大です。 外部スタッフとして化粧品部門をお手伝いしていただいているのはまだ若い女性なのですが、本当に頼りになるメンバーのひとりです。「テキパキした人でどなたかいい方いらっしゃらないかしら」となにげなく知人に話したところ、「いい方いますよ」とご紹介くださって。さっそくお会いしてみたところ、本当にしっかりしていて、即、お願いすることになりました。ここ数年、大企業でもそういった「リファラル採用」が流行っているそうですね。信頼の置ける方やお取引先、社員内での推薦や紹介という形の。まさにそういった感じの出会いで面談してみたのです。 採用面接って本当に難しいですよね。人事のプロだって、そのときは「素晴らしい人材だ!」と思って採用しても、「実際はそうでもなかった。でも解雇もできない」ということが少なくないと言います。「決め手はどういうところなのですか?」と聞かれることもありますが、正直、コツなどはなく、「縁と直感」というのが本心です。とはいえ、心に残った受け答えがいくつかありました。 彼女に惹かれたのは、どんな問いかけにも「前向きでポジティブな印象」だったことです。「わからないことは勉強していきたい」という、当たり前だけど素直で謙虚な姿勢でした。また、こちらの質問に対してのレスポンスの早さ、その瞬発力に頭の良さと可能性を感じました。打てば響いてくれる、その思考の早さがとても魅力的に映ったのです。 彼女にお願いすることになって、その手際の良さとマルチタスクぶりには驚くばかりです。任せて安心、一を言うと十やってもらえる勘どころと気の利き具合。化粧品にも詳しいのはもちろん、webやSNS などIT関連にも強く、とても心強く感じます。おしゃれさんなのでノベルティやポストカードのようなデザインセンスが問われるような案件も、こちらが想像した以上の素敵なものを手配してくれるのです。何より楽しそうにイキイキとやってくれるのも、こちらとしてはうれしい限りです。POP UP の出店なども、「こんなところでやってみたい」とふわっと話しただけで、サッと調べてくれて。きっと彼女も初めてなんだろうなということでも、どんどん開拓してくれるところは本当に頼もしく思います。「わからないことは勉強していきたい」と言ってはいたけれど、私の方が「これはどうしたらいいの?」と彼女に聞いています。むしろ、こちらが教えてもらう方が多いかもしれないという程です。 Matt とも年齢が近いので感覚的なことも以心伝心というか、空気で伝わるようなところもあります。年齢が離れてしまうとどうしても言葉や説明で伝わり切らないものもありますから。 感性は若いけれど、事務処理に関するスキルは成熟していて、作業や連絡事項のやりとりもマメで手を抜かず、レスポンスが早いのも素晴らしい。返信が早いということは信用の第一歩なんだなと、彼女を見ているとつくづく感じます。 人を採用するということは、何もビジネスだけではありません。各ご家庭でベビーシッターやペットシッターを探すことだってあるでしょう。海外旅行のレジャーで現地ガイドを手配することだってあるかもしれません。メールでも会話でも、やりとりのスピードやペースは、相性と大いに関係している気がします。人によってはクイックレスポンスは「ありがたいけど、追い立てられているようで落ち着かない」、と感じる人もいるかもしれません。それぞれのペースに合う人を選んでみると、意外とベスト相性だったり。何かの参考になればうれしいです。 そのほかに気をつけていることは、次回、書きますね。
Maki’s 今号のキレイの源
「ワタリガニの飯蒸し、キャビア」「松茸と和牛の焼きもの」「松茸のフライ」 東京・赤坂『松川』さんでこの時期ならではの松茸づくし。 おかげ様でこの秋も収穫できました。毎年、九州で作っている「真心米」です。 先日、ホームパーティでお出しして好評だった「春菊と柿のサラダ」。パルメザンチーズが味のポイント。旬のものは元気になります。 桑田真紀 東京都生まれ。航空会社CA、専業主婦を経て、現在は夫・桑田真澄(読売ジャイアンツ二軍監督)と次男・Matt Rose(アーティスト)のマネジメント会社を経営。趣味はゴルフ。