【実話】「胡錦濤」の名を騙る日本人詐欺師が主催した「六本木ヒルズ乱行パーティ」の壮絶実態のすべて【話題沸騰の書・リーマンの牢獄】
---------- 2008年9月、アメリカでサブプライムローン(低所得者向けの住宅ローン)が崩壊し、大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻した。世界金融危機「リーマン・ショック」の直前、リーマン・ブラザーズから総額371億円にのぼる莫大なカネを騙し取った凄腕詐欺師(懲役15年)がいる。齋藤栄功だ。 【本人写真】批判は覚悟している…リーマンから371億円を騙し取り、懲役15年 このほど「リーマン・ショックの引き金を引いた男」齋藤の回顧録『リーマンの牢獄』が出版される。2024年最注目の巨弾ノンフィクションに、知られざる現代史の裏側が赤裸々に記録される。(文中敬称略) ----------
マセラティ「クアトロポルテ」で運びこまれた札束
齋藤栄功(しげのり)から預かった17億8200万円を持ち逃げした黒崎勉(仮名/投資顧問会社社長)は、以前から怪しい動きが目立つ人物だった。あるとき黒崎の仲介でディールが成立すると、銀行振込ではなく、ゲンナマを黒崎が直接もってきたことがある。 〈「神田錦町のアスクレピオス【※齋藤栄功が社長を務める会社】に、黒崎氏がイタリア製のマセラティのクアトロポルテに乗っていきなり現れたんです。全長5メートル、重量2トンもあるデカいサルーン車【※箱型車】です。しかもわが社に運びこんだのが、ルイ・ヴィトンの革製のトランクケースにぎっしり詰めた札束でした」 (略) 「これはまずいな、と思いました。そんな大金をなぜ銀行振り込みでなくキャッシュなのか、黒崎氏からは何の説明もなく、当たり前のような顔をしていました。入金日の直前でもあり、ひとまず受け入れて、そのままみずほ銀行に持ち込んだのですが、何と10万円足りなかったんです。セコい男です。お札を数えるのを怠ったこちらの落ち度ですから、黒崎氏には請求しませんでした」〉(『リーマンの牢獄』270ページ)
マカオで開かれた乱交パーティー「夜総会」
齋藤栄功は、黒崎勉の手引きで香港にプライベートバンクを開設したことがある。裏ガネを日本から逃がすための避難所だ。黒崎は稀代の女好き、それも人目につく平場ではなく、密室での遊びを好んだ。 〈「黒崎氏は日本でもそうですが、サウナが大好きで香港でも彼と2人で汗を流しました。さらにヘリでマカオにも飛び、悪名高い〈夜総会〉にも参加することになりました」 ――何ですか、その〈夜総会〉って? 「ナイトクラブのことですが、実は密室の乱交パーティーで、黒崎氏は目がないんです。僕の行きつけの赤坂の韓国クラブ『ポンジュ』に連れていったことがありますが、彼はああいう人目につくところで遊びたがらない。常に密室にこもり、互いの弱みを握れるから、チクられる心配もない。その僕も銀座や赤坂のクラブに顔を出すことはめっきり減りました。 それにしても、マカオの夜総会はこの世のものとは思えないほどの肉弾戦でしたよ。ああいう役割を女衒(ぜげん)というのかな、黒崎氏の素顔がちらと見えた気がしました。〉(『リーマンの牢獄』276ページ)
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