豊洲の追加土壌汚染対策、小池知事は再考を 環境学会元会長ら申し入れ
豊洲市場の土壌汚染対策をめぐり、専門家会議で議論して東京都が実施を決定した追加安全対策は再考すべきだとして、日本環境学会元会長の畑明郎氏と一級建築士の水谷和子氏は14日、都庁を訪れ、小池百合子知事宛てに申し入れ書を提出した。 小池知事は先月、豊洲市場への移転と築地の再開発を両立させる市場移転方針を発表。豊洲市場については追加の土壌汚染対策を行うとした。具体的には、同市場の主要建物地下の床面をコンクリートで遮蔽し、かつ内部を換気して、ベンゼンや水銀といった大気中有害物質の濃度を抑制する。都はこの追加対策で地上の安全は確保できるとしている。 両氏はこれに対し、地下水位の変動などにより数年でコンクリートにひび割れが生じ、すき間からベンゼンや水銀といった有害ガスの侵入が懸念され、換気によって気圧が下がると地下から有害ガスが侵入しやすくなると指摘。「この追加対策では豊洲の食の安全・安心は確保できない」として、小池知事に豊洲への移転中止と築地再整備を求めた。 (取材・文:具志堅浩二)