「竹葉」の数馬酒造に宮城から支援の手 「新澤醸造店」が瓶詰め代行 能登半島地震
北陸放送
この時期、本来は仕込みの最盛期を迎える石川県の酒蔵も、能登半島地震で大きな被害を受けました。能登町の酒造会社に支援の手を差し伸べたのは、宮城県の酒蔵でした。 【写真を見る】被災した酒蔵・宮城から届いた純米吟醸酒 ■津波で浸水した「数馬酒造」 手を差し伸べたのは宮城の酒蔵 石川県能登町宇出津にある数馬酒造。海から200メートルほどの距離にある酒蔵は津波に襲われ、泥水が流れ込みました。断水が続いていて、片付け作業も思うように進んでいません。 こうした中、支援を申し出たのは、直線距離で350キロ以上離れた宮城県の新澤醸造店でした。 新澤醸造店・杉原健太郎専務 「こちらがお酒のタンク。今この中にお酒が入っているが、数馬酒造から引き受けたもろみを弊社で搾ってそれが今こちらに入っている」 新澤醸造店は1月17日、片道10時間以上かけて数馬酒造を訪れ、日本酒になる前の「もろみ」およそ1トンを回収しました。酒造りができない数馬酒造に代わって、宮城県内で酒を搾り、瓶詰め作業を行うというのです。 杉原専務 「もろみは時間をかけて、手間暇かけてものすごくお酒にするまでに力を注いでいる。お酒にできないということは、酒造メーカーとしてものすごく辛いこと」 いち早く支援に乗り出した背景には、13年前の経験がありました。 ■東日本大震災で全壊 品評会で「数馬酒造」と知り合う 2011年3月の東日本大震災で、新澤醸造店は3つある酒蔵すべてが全壊。 しかし全国の支援を受けて酒造りを再開し、去年7月、ロンドンで開かれた品評会で日本酒部門の金賞を受賞。その表彰式で出会ったのが、能登町の数馬酒造でした。 杉原専務 「震災の時にたくさん支援してもらったのでそういった意味でも出来る限りのことをお手伝いしたい」 そして5日朝。宮城県を出発した新澤醸造店のトラックが、能登町に到着しました。 数馬酒造のもろみで搾られた純米吟醸酒350本と、泥の片付け作業に必要な生活用水1トンが届けられました。 数馬酒造・数馬嘉一郎社長 「うれしい。本当に半ば諦めかけていたので、お酒にならないと思っていた。お酒にしてもらえて本当にうれしい」
数馬酒造は1月末から地震の被害を免れた商品の出荷を再開し、今回宮城から届いた純米吟醸酒も、2月末から3月上旬ごろに販売したいとしています。
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