50年前の宝物は? 三重の小学校で市長らがタイムカプセル開封
三重県松阪市鎌田町の市立第四小学校で9日、50年前に埋められたタイムカプセルが掘り起こされた。当時6年生で通っていた竹上真人市長や約110人の卒業生が中身を確認しながら、懐かしんだ。 同小は2025年に創立100周年を迎える。記念の年に向けたキックオフイベントとして、1974年11月10日に創立50周年を記念して埋めたタイムカプセルを開けることになった。 目印として建てた石碑の近くを卒業生らが順番にスコップで約10分、土を掘り進めると、直径45センチほどの蓋(ふた)が見えた。陶器の丸い釜のタイムカプセルを開けると、当時の在校生約560人の作文や絵画が出てきた。 児童それぞれが50年後の夢を託した「宝物」はビニールで何重にも包まれていた。体育館で広げられ、参加者が自らの名前を見つけ、「あったー」など声を上げていた。東京タワーのような塔を描いた絵や「未来には顔を見ながら電話ができる」などと書いた作文などを見て「恥ずかしい」「こんなこと書いとる」と言いながら、小学生の頃に戻ったように見せ合い、楽しんでいた。 ただ、6年生の作品は水にぬれて固まり、はがそうとすると破れてしまうため、乾かす作業が必要となったことで、竹上市長は自分の作品を見られなかった。残念がった一方で、当時PTA会長だった父の手紙が見つかり、「13年前に亡くなったので感慨深い」と大切に持ち帰っていた。【下村恵美】