<箱根駅伝>駒大、東洋大は、連覇を狙う青学に勝てるのか?
箱根駅伝の「区間エントリー」は12月29日。当日変更で最大4名まで補欠登録の選手を入れることができるが、その日までにオーダーの骨格を決めないといけない。どんな戦略で臨むべきなのか。指揮官たちはいま頭を悩ませていることだろう。 第92回大会となる今回は、連覇を目指す青学大が優勝候補の筆頭だ。総合タイムで過去最速となる10時間49分27秒を叩き出したメンバーで卒業したのは8区と9区のみ。1万m28分台ランナーを11人揃えて、その穴は十分に埋まる。しかも、5000m、1万m、ハーフの上位10名の平均タイムは前年度をすべて上回るなど、さらにパワーアップした。原晋監督自身が「学生史上最強軍団」と評価するほどの巨大戦力だ。 順当なら青学大の“独走劇”になるはずだが、ここに来て雲行きが怪しくなっている。前回5区を1時間16分15秒で爆走した神野大地の状態に不安があるからだ。今季は二度の疲労骨折に苦しんだ神野は、11月の全日本大学駅伝で復帰したものの、8区19.7kmを59分45秒の区間8位と凡走。1年前のタイムよりジャスト1分悪かった。しかも、全日本後に左スネを痛めて、11月は思うようなトレーニングができなかったという。5区での目標を「前回の自分超え」から「1時間20分切り」に下方修正。追いかける大学にとってはチャンスが大きくなった。 そこで優勝争いに浮上してくるのが、全日本で初Vを飾った東洋大と前回2位の駒大だ。対抗チームが本命アオガクに勝つにはどんな展開に持ち込むべきなのか。その戦略を予想してみたいと思う。 まずは5区の戦力比較から。東洋大は前回5区の五郎谷俊(区間11位/1時間22分14秒)の他にもう1人、走力のある選手がスタンバイ。酒井俊幸監督は「1時間20分台から19分台」を目安にしており、青学大とタイム差がつかない可能性もある。一方の駒大は5区に強力な選手を配置して勝負に出る。前々回5区を1時間19分54秒で走破している馬場翔大と、全日本8区で神野より1分06秒もタイムが良かった大塚祥平が候補。大八木弘明監督は「1時間19分切り」を目標に掲げている。