<ラグビーW杯>五郎丸が最終戦勝利に号泣!
ラグビーのワールドカップの1次リーグB組の最終戦の日本対アメリカが12日、グロスターで行われ、日本が28-18で快勝。ボーナスポイントの差で1次リーグ突破はできなかったが、歴史的な3勝目を刻んだ。試合のマンオブザマッチに選ばれたのは、3本のペナルティキックと、トライ後コンバージョンを2本決めて13得点をマークした五郎丸歩(29)。試合後、公式インタビューに呼ばれた五郎丸は、最初に、2度目のマンオブザマッチに選ばれた感想を聞かれ、「ええ、このマン・オブ・ザ・マッチは本当にチーの……」とまで言うと、言葉に詰まった。鼻を押さえ、目は真っ赤。涙腺が崩壊して、もうそれ以上、言葉が出てこない。今大会中、常に冷静さだった男が号泣した。 本当にチーム……の後に続けたかった言葉は、「チーム全員で取ったものだ」という五郎丸の気持ちだったのだろう。 さらに、今の感情言葉であらわして欲しい?と質問されると、「我々の目標は、ベスト8に入ることだった。満足はしてない」と言って再び絶句した。 その涙は、3勝したがボーナスポイントの差でベスト8進出を逃した悔しさであり、エディヘッドコーチの元で、苦しい練習と準備を乗り越え、チーム一体となって世界で通用する「ジャパンウエイ」を体言できたことに対する、ひとつの達成感もあったのかもしれない。複雑な感情が入り混じったのだろう。 南アフリカを相手に世紀の番狂わせをやってのけたゲームでは、精神を集中させてペナルティを成功させ続けた五郎丸の独特のお祈りポーズがクローズアップされた。スコットランド戦では大会のベストタックルのひとつに選ばれるスーパータックルでトライを阻止もした。エディジャパンのスター的な取り上げられ方に対して、五郎丸は戸惑いと違和感を覚えてもいたようだが、4試合で計58点は、堂々の得点ランキング2位。その正確なキック力で、世界にその名をとどろかせた。 日本はベスト8進出を逃したが、プールの3位をキープしたことで2019年の自国開催のワールドカップの出場権を自力で得た(自国開催枠で出場できる方向だったが)。4年後は五郎丸は油の乗り切った33歳。 「ラグビーにはヒーローはいない。チームみんながヒーロー。胸をはって日本に帰りたい」 涙を拭いた五郎丸は、そう言って前を向いた。